そもそも、東京五輪が酷暑の7月末から8月に決まったのは、北米など巨大なスポーツ興行がクライマックスに差し掛かる期間を避けるよう圧力がかかったためだ。
35度をはるかに超す気温の東京だ。マラソンなど屋外の競技では、アスリートや観客に死者が出る可能性があると思う。
それはさておき、欧米のスポーツ界は「五輪がやりたいのなら、俺たちのアイドルタイムにやりな」と圧力をかけている。IOCはその圧力でスケジュールを変えたが、全く対照的なことに、日本のプロ野球は「あ、五輪をするんだったら、私たち野球やめて、横で見てます」と申し出たのである。どこまで腰が低いのだ。
同じプロスポーツでありながら、日本のせこさ、ちんけさがくっきりと浮かび上がる。これではだめでしょう。
ちなみに1964年の東京五輪は10月に始まったから、この年のプロ野球はペナントレースを少しはやめた。しかし開会式の日には日本シリーズの最終戦をしていた。
日本の野球界は、書き入れ時の貴重な夏休み期間をまるまる休んでいいほど、将来が明るいわけではない。
何度も言っているが、青少年の野球人口は激減している。4年後には、野球ファンは減少に転じている可能性が高い。
今でさえも才覚がない経営者が多いNPBは、収益が上がっていない。市場が伸び悩んでいる中で、巨大な損失が起こるかもしれない譲歩をするのは本当に危険だ。
オーナーと言ったってサラリーマンが多いから、定年退職するか、本社に戻るか、他のグループ企業に転出するかで4年後にはいない人が多い。それだけに、無責任な決定をしそうだが、広島など独立採算のチームはぜひ、強硬に反対してほしい。
ひょっとすると熊崎勝彦コミッショナーが大の五輪ファンで、五輪を見たいためにこれを決めようとしているのかもしれない。
「え、東京五輪の時、野球やんの?うそー!クマちゃんオリンピック大好きなのにぃ。コミッショナーならいい席くれるはずなのにぃ。ねえ、やめようよ、その期間。野球なんてつまんないじゃん。それよりオリンピック行こうよぉ」
ということかもしれない。
怖いのは、日本特有の「同調圧」がかかることだ。
「日本のナショナルパスタイム、プロ野球が止めると言っているのに、お前らごときが興行を続けるとは何事か」
高校野球の地方大会は、7月末には終了する。甲子園の開幕も8月後半だから、実害は少ないだろう。
しかしJリーグはどうするのか。今年で言えば、第2ステージが7月から始まる。序盤戦が盛り上がったところでの中断は考えられないのではないか。でも「NPBが休むのに、お前らはやるのか」と馬鹿が同調圧をかけかねない。※Jも6/28中断することを検討している旨表明。つまり、NPBはそれに追随したということか。Jのどう調圧が働いのか。
ビーチバレーや競泳などサマースポーツにも影響を与えかねない。
そんな風にして、五輪期間中、日本中の主要なスポーツイベントがなくなって、ひっそりしてしまって、どんないいことがあるのか。
もうすでにいやというほど五輪報道はされているではないか。それをさらに五輪一色に塗りつぶすのがいいのか。
ほっといたって視聴率は上がる。にわかファンは佃煮にするほど出てくるのだ。
五輪にそれほど興味がない人、夏には他のことをしたい人の選択肢を奪ったって、その人が五輪の方を向くとは限らない。
何度も言うが、五輪を盛り上げるというのは、そういうことではないだろう。
世界のアスリートが集う祭典に際して、日本中で協賛イベントとしてスポーツをするとか、他の試合興行中に五輪選手にエールを送るとか、ハーフタイムに五輪パラ輪の競技を紹介するとか、日本国内のスポーツが一緒に盛り上がるようなイベントはいくらも考え付くはずだ。
クマちゃんがその時までコミッショナーでいるかどうかはわからないが、野球より五輪の方がいいのなら、一人で勝手に行ってもらおう。
私たちは、五輪をやっていようと、日本人が金メダルを暴れ取りしようとも、それを喜びつつも夜は野球が見たい。五輪開催中もいつもの夜を過ごしたい。
11日に決まるそうだが、オーナー会議はバカな決定をしないでほしい。
外山義明、全本塁打一覧|本塁打大全
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それはさておき、欧米のスポーツ界は「五輪がやりたいのなら、俺たちのアイドルタイムにやりな」と圧力をかけている。IOCはその圧力でスケジュールを変えたが、全く対照的なことに、日本のプロ野球は「あ、五輪をするんだったら、私たち野球やめて、横で見てます」と申し出たのである。どこまで腰が低いのだ。
同じプロスポーツでありながら、日本のせこさ、ちんけさがくっきりと浮かび上がる。これではだめでしょう。
ちなみに1964年の東京五輪は10月に始まったから、この年のプロ野球はペナントレースを少しはやめた。しかし開会式の日には日本シリーズの最終戦をしていた。
日本の野球界は、書き入れ時の貴重な夏休み期間をまるまる休んでいいほど、将来が明るいわけではない。
何度も言っているが、青少年の野球人口は激減している。4年後には、野球ファンは減少に転じている可能性が高い。
今でさえも才覚がない経営者が多いNPBは、収益が上がっていない。市場が伸び悩んでいる中で、巨大な損失が起こるかもしれない譲歩をするのは本当に危険だ。
オーナーと言ったってサラリーマンが多いから、定年退職するか、本社に戻るか、他のグループ企業に転出するかで4年後にはいない人が多い。それだけに、無責任な決定をしそうだが、広島など独立採算のチームはぜひ、強硬に反対してほしい。
ひょっとすると熊崎勝彦コミッショナーが大の五輪ファンで、五輪を見たいためにこれを決めようとしているのかもしれない。
「え、東京五輪の時、野球やんの?うそー!クマちゃんオリンピック大好きなのにぃ。コミッショナーならいい席くれるはずなのにぃ。ねえ、やめようよ、その期間。野球なんてつまんないじゃん。それよりオリンピック行こうよぉ」
ということかもしれない。
怖いのは、日本特有の「同調圧」がかかることだ。
「日本のナショナルパスタイム、プロ野球が止めると言っているのに、お前らごときが興行を続けるとは何事か」
高校野球の地方大会は、7月末には終了する。甲子園の開幕も8月後半だから、実害は少ないだろう。
しかしJリーグはどうするのか。今年で言えば、第2ステージが7月から始まる。序盤戦が盛り上がったところでの中断は考えられないのではないか。でも「NPBが休むのに、お前らはやるのか」と馬鹿が同調圧をかけかねない。※Jも6/28中断することを検討している旨表明。つまり、NPBはそれに追随したということか。Jのどう調圧が働いのか。
ビーチバレーや競泳などサマースポーツにも影響を与えかねない。
そんな風にして、五輪期間中、日本中の主要なスポーツイベントがなくなって、ひっそりしてしまって、どんないいことがあるのか。
もうすでにいやというほど五輪報道はされているではないか。それをさらに五輪一色に塗りつぶすのがいいのか。
ほっといたって視聴率は上がる。にわかファンは佃煮にするほど出てくるのだ。
五輪にそれほど興味がない人、夏には他のことをしたい人の選択肢を奪ったって、その人が五輪の方を向くとは限らない。
何度も言うが、五輪を盛り上げるというのは、そういうことではないだろう。
世界のアスリートが集う祭典に際して、日本中で協賛イベントとしてスポーツをするとか、他の試合興行中に五輪選手にエールを送るとか、ハーフタイムに五輪パラ輪の競技を紹介するとか、日本国内のスポーツが一緒に盛り上がるようなイベントはいくらも考え付くはずだ。
クマちゃんがその時までコミッショナーでいるかどうかはわからないが、野球より五輪の方がいいのなら、一人で勝手に行ってもらおう。
私たちは、五輪をやっていようと、日本人が金メダルを暴れ取りしようとも、それを喜びつつも夜は野球が見たい。五輪開催中もいつもの夜を過ごしたい。
11日に決まるそうだが、オーナー会議はバカな決定をしないでほしい。
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まぁ彼らはスタジアム経営もクラブ経営も税金で補てんされるので、ぶっちゃけ中断しても経営には関係ないでしょう