昨日で今年の夏の甲子園出場校が揃った。

新旧取り合わせて、といいたいが、一昔前の名門校は少なくなり、新興勢力の進出が顕著だ。
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タイミングよく東洋経済が高校野球を特集している。朝日、毎日の影響外だから、功罪半ばする高校野球についてよい目配りをしている。
いろいろと取り上げたい話題はあるが、一番注目したいのは八田英二高野連会長のインタビューだ。
この人は同志社大の経済学の教授で、学長も務めた。昨年9月に高野連の第7代会長に就任。

「東洋経済」はかなり批判的な口調で質問をぶつけているのだが、

「東」炎天下でのプレーは配慮すべきではないか?

(八田)ナイターにすると応援団の費用がかさむ。ドーム球場に移ることは歴史的にできない。野球はサッカーなどに比べて運動量が少ないので厳しくない。むしろ練習の方が問題。

「東」過剰な投球数の問題は?

球数制限をすると追い込まれるまで打たないような戦略が生まれる。プロに行くなら投げすぎは心配だろうが、大多数はプロにならない。最後まで投げて燃え尽きたいという子もいる。

「東」大会日程を長くすれば選手の負担が減るのでは

阪神との兼ね合いがあるし、地方予選にも影響する。教育的な配慮からこの期間にせざるを得ない。

「東」不祥事に対する連帯責任は?

厳しすぎると言われるが、そうしてきたからこそ人格形成は高校野球に任せてよいという社会的な認知が得られたと私は考えている。

「東」政府はスポーツ市場規模の拡大を掲げているが?

高校野球は教育の一環だ。新聞社にも口出しをさせていない。

「東」サッカーは少子化でも部員数が増えているが?

野球はサッカーと違って高校野球とプロが一線を画している。人材交流を進めていくべきだ。女子部員も増やしたい。選手としては無理だが、マネージャーやボールガールなどで組み入れたい。

高野連はスポーツ主催団体ではなくて教育機関だと思っている。だから2代続けて教育者がトップに選ばれたのだろう。

要するに、今、問題になっていることについては、一切変えませんよ、と言っているのだ。
あきれるばかりだ。
一番問題なのは、プロに行かない選手は、甲子園で燃え尽きてもいい。投げられなくなってもかまわないと、高校野球のトップが明言していることだ。
「プレイヤーズファースト」と言う言葉は、この人の頭の中にはないのだろう。

女子野球と言うものがとっくに存在しているし、プロリーグまであるのに女子部員はマネージャーとボールガールと言うのは時代錯誤。男尊女卑の匂いさえする。ひどい。

この人は選手経験はなく、関西学生野球連盟などの会長を歴任したというだけだ。NPBのコミッショナーと同様、実務には無縁なお飾りだ。

日本の教育機関には「いつの間にか偉い人になっている」人物がごろごろしている。旧弊を守るにはちょうど良い人材だが、こういう人がトップにいることで、潰される高校球児は数知れない。
悩ましい話だ。

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1962年足立光宏、全登板成績【1試合17奪三振を記録、8勝を上げる】

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