やや旧聞だが。
高野連の技術振興委員会は、女子マネが甲子園に足を踏み入れることに反対の意向を示した。




毎日新聞

甲子園練習に大分の女子マネジャーが参加して制止された問題を受け、日本高校野球連盟は13日、阪神甲子園球場内で技術・振興委員会を開き、委員らの意見を聞いた。竹中雅彦事務局長によると、11人が出席。安全性を理由に、女子マネジャーの参加に反対する意見が大半だったという。危険性は男子も同じという指摘もあるが、竹中事務局長は「試合に出場できない女子に負傷のリスクを負わせるのはどうかという意見が大勢だった」と説明した。

こういう意見が出るのは当たり前の話だ。
技術・振興委員会の委員長は、育英高校の日下篤元監督。以下、星稜高校の山下智茂元監督など高齢の元指導者で構成されている。
彼ら「甲子園の成功者」が、甲子園、高校野球の改革の必要性を感じているはずがない。
彼らは今の高校野球の護持者であり、高校野球改革など思いもよらないはずだ。
「女子マネに甲子園の土を踏ませるなんてとんでもない」と思っているのは間違いない。
また、こういう人たちは、現場からも遠ざかっている。
聞く相手が間違っている。

高校野球関係者に聞くというのなら、全国4000校弱の高校野球の監督、部長に聞くべきである。
高校野球の競技人口が減る中で、女子部員の役割はますます大きくなっている。同じ野球部員として登録されながら、お茶、弁当作り、スコア付け、洗濯など雑用を押し付けられている女子部員に対して、多くの指導者は申し訳ない気持ちを抱いている。甲子園の土を踏ませたいと思っている人も多いはずだ。
最近は練習の補助をする女子部員も増えている。ノッカーまでやっている人は少ないだろうが、トスを上げたり、ノックの補助をする女子もいる。トンボをする女子もいる。人手不足もあって、その需要は高まっている。
そもそも高野連は、野球部員数を発表するときに女子部員も含めているのだ。彼女らを一人前扱いしない理由はないはずだ。

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この話は「甲子園のグランドに女子が出ると、ボールが当たる可能性があるので危ない」ということではない。危険性という点では、男子も女子も大差はない。
男子の場合、試合に出ていればボールが当たって負傷することも承知の上だから問題ないが、女子の場合、想定外だから責任問題に発展しかねないといっているのだ。
要するに、男子は事故が起こっても主催者側が責任を問われることはないが、女子は自分たちにリスクが発生するからダメだということだ。
制度を変えればいいはずだ。おかしな理屈である。

野球人には「自分たちの利益、利権を公の場で平然と主張する」という習性がある。
建前としての「公益」「教育」をいうのではなく「俺らが困るから反対」と恥ずかしげもなくいうのだ。
例えば投手の球数制限の話が出ると、指導者から「うちは2枚も投手をそろえられない」という意見が多出する。他の業界なら通用しないが、野球界ではそういう意見が通ってしまうのだ。

この件では最初は前向きだった、朝日、毎日も、今は鳴りを潜めた。高野連が反対なのなら、それ以上意見を言うのはやめておこうということだろう。

高野連のお偉いさんは、女子に甲子園のグランドを踏ませるのは「自分たちが責任を問われる可能性があるからダメ」といっているのだ。
その是非はさておくとしても、いい年をして情けない意見だと思う。

※本日は7時からその甲子園に来ている。恒例の4試合観戦をするつもりだ。1時間前に甲子園駅前は狂乱の巷になっていた。おびただしい観衆が駅から球場までを埋め尽くしていた。
もはや社会現象のようだ。

豊田泰光、全本塁打一覧(後編・1960~1969、その他)|本塁打大全


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