U-18の台湾での活躍はBS-TBSで連日実況放送されている。快勝の連続だが、どうだかなあという感じもある。

ここまで3試合の成績。

U-18



台湾は、下手をすると大学や高校の方が、プロよりも好素材がそろっていたりする。
ホームの試合でもあり、いっぱいお客が来ていた。真剣勝負の好ゲームになった。
台中洲際棒球場は何度も行っているが、11月でも30度を記録したりする。暑かっただろうなあと思う。

しかしそれ以外の2試合は、高校野球の地方大会でもなかなか見られないような、超ワンサイド。
実力云々と言うより、そもそも試合をしていいのかどうか、検討すべきレベルだろう。

香港の中堅手ウェン・ジュエシンは、打球を追って右左していたが、球を押さえても、内野までノーバウンドで届かない感じだった。
彼だけでなく、外野はあまりにも安打が乱れ飛ぶので、嫌々追いかけるような感じだった。
途中からマウンドに上がったフォ・ジュンヌオは、伊集院光みたいな体型で、手投げでボールを投げていた。
いいのか、こんな試合という感じだった。
私は香港は何度か行ったことがあるが、野球をしているのは見たことがない。グランドがあるのか、と思っていた。少しは盛んになったのだろうが。

インドネシアの試合は見ていないが、それ以上のワンサイドだから、話にならないだろう。

野球の国際試合がむなしいのは、「ちゃんと野球ができる国」が極めて限られているからだ。

昨日は、サッカーのワールドカップ予選があった。私はこれを成田空港の出発ロビーで見ていたが、一緒に見ているおっさんが、なんども体をひねって「おう!」「ああ!」と声を上げていた。
厳しい結果になったが、サッカーでは日本の好敵手はごろごろいる。
サッカーの試合は野球よりも番狂わせが多いと思う。ブラジルでもフランスでも不覚を取ることがある。
それだけ実力が接近した国が、世界中にあるのだろう。
だから、日本がそういう国に打ち勝ってワールドカップに出るのは、すごく意味のあることだ。

しかし野球の場合、日本とまともに試合ができる国は本当に限られている。アジア、オセアニアでは韓国、台湾、オーストラリアだけだ。
世界で見てもアメリカ、カナダ、メキシコ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、パナマ、キューバくらいか。
ヨーロッパでは、WBCでドミニカ共和国をオランダが破ったりしたが、実質的にはアメリカでプレーする選手が戦っていた。

国際大会と言っても、サッカーとは厳しさが違う。

昨年、U18の国際大会を見たが、チェコ対日本など、草野球と本気の野球の戦いのようだった。

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国際大会というと、日本中が沸き立つが、野球の場合、ライバルが本当に限られているから大したことがないのだ。女子野球も同様だ。

今度のWBCも、オリンピックも、またテレビが空騒ぎしてくれるだろうが、野球の未来を考えれば、こういう状況はよろしくない。

日本の野球界はアジア圏に対して、本気で野球の普及を考えるべきだ。周辺の国が強くなければ、野球の国際ビジネスは発展不可能だし、国際大会のバリューも上がらない。

アジアの国が日本の好敵手になって、熱戦を演じるようにならなければ、その国で野球が人気になることはあり得ないだろう。

香港戦だの、インドネシア戦だのの大勝をよろこんでいるおめでたい人はそれほどいないだろが、「野球の国際化」とはアジアの国に「ライバルを作ること」だと認識すべきだ。




1964・65年渡辺秀武、全登板成績【初勝利を完封で飾るもその後は・・・】



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