日本の独立リーグは、2003年9月、石毛宏典が創設を思い立ったことから始まった。



石毛はM&Aの専門家や、起業の専門家などと共に株式会社IBLJを創設。四国に独立リーグ「四国アイランドリーグ」を開いた。

とき、あたかも球界再編の嵐が吹き荒れていた。
NPBの経営者たちが2リーグ12球団を、1リーグ10球団に縮小しようとしていた。
選手会のストライキを野球ファンが支持し、これは阻止されたが、野球の将来に不安の影が差した。



そんな中で、2005年「四国アイランドリーグ」は船出したが、すぐに経営危機に陥った。
石毛は野球人としてはビジネス感覚があると思われていたが、企業経営については全く無知だった。
リーグはスポンサーとしてついていたベンチャー企業や地元企業によって救済された。
以後、リーグ、球団ともに経営危機の荒波にさらされながら、12年間やってきた。この間に経営モデルを確立した。

石毛は四国のほかにBC、関西も設立した。BCも経営危機に陥ったが、広告代理店出身の経営者がスポンサーを集めて存続している。こちらも経営モデルができている。
しかし関西は、離合集散を繰り返し、迷走したままだ。写真は関西独立リーグの開幕戦。

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さらに、2010年には女子プロ野球リーグも発足した。

独立リーグの意義は第一に、「野球で飯を食いたい選手たちの受け皿」ということだ。社会人野球がどんどん衰退する中で、野球選手たちの選択肢は狭まっている。
独立リーグは、彼らに「場」と「時間」を与えている。
ここでアピールをすることで、ドラフトにかかってプロ入りする選手も数多く出ている。こういう形で「学生野球」と「プロ野球」をつなぐ役割を担う。
これが一番重要な機能だ。
だから四国もBCも、NPB出身者を指導者に迎えている。NPBの流儀の野球を教えているのだ。こういう形で実績が積みあがったことで、NPBは独立リーグに一定の評価をし、ドラフトで指名するようになったのだ。

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独立リーグは第一に「人材育成」をするリーグだということは頭に入れておく必要がある。

さらに言えば、独立リーグは「野球をあきらめる」リーグでもある。プロ入りを夢見てがんばってきたがドラフトにかからなかった選手が、独立リーグでプレーし、自分の実力を見極めて、第二の人生を踏み出す。
独立リーグの経営者たちは、最初からそういう役割を考えていたわけではないが、今はこれも重要な役割だと認識するようになっている。

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社会人野球など企業スポーツは、今、非常に苦しくなっている。企業評価の上で利益をもたらさない企業スポーツチームは、株主から手放すように言われることが多い。そして企業スポーツの選手たちは、実質的に「プロ」であり、スポーツさえしていればそれでいいという認識の人が多いために、旧態依然としている。
残念なことに、意識レベルが低い人が多いのだ。

独立リーグはそういう意味でも、社会人スポーツの補完的機能を果たしている。



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