今日の2本目は韓国野球の八百長の話にしようと思ったのだが、朝の履正社の件で面白い議論がされているので、引き続きこの話を先にする。



日本ハムが、履正社の山口が「ドラフト4位以下なら社会人にいく」といっていたにもかかわらず、6位で指名した件。
私も「強行指名」と書いたが、実際にはごく普通の、通常な指名であり、何ら問題はない。
ひょっとする他球団が、履正社側の事前の通達を知って指名を控えていたのを知ったうえで、このような指名をしたのかもしれないが、それでも別に非難される筋合いはない。
履正社の事前通告も、それに対する他球団の配慮も、本来はあってはならないことだからだ。

ドラフトは、契約金など選手獲得にかかるコストの抑制と、戦力の均衡化を目的に51年前に導入された。
その後のプロ野球の隆盛、とりわけパ・リーグの繁栄を見ると、ドラフトは成功したと言えるが、主として巨人やある時期の西武など金満球団の横車で、ドラフトは絶えず骨抜きにされる危機に瀕した。
江川事件の後も、選手が意中の球団があること。球団と選手が相思相愛であることなどが事前に報道され、結果として他球団が指名を遠慮するようなことがたびたび起こった。

これはドラフトの精神を踏みにじるものであるだけでなく、「ルールがまともに適用されない」という点で、野球界全体のイメージダウンにつながった。非常に恥ずかしいことだった。

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ドラフトの基本的な精神は「共存共栄」であり、「どのチームに入ることも同じ価値がある」ことが前提となっている。そこに、情実や個別の事情を混入させること」は、「法治」に「人治」を加えることであり、あってはならないことだった。

巨人だけではないが、そういう「ドラフトつぶし」は、NPB全体の信用を傷つけた。また、巨人などは正当、公正な努力ではなく、そうした邪悪な力を行使した挙句、人材が育たない残念な体質になってしまったのも事実である。

日本ハムは、あえて「ルール通り」にドラフト指名を行っている。それは逆に言えば「事前の密約」という「ドラフト潰し」をつぶす「ドラフト潰し潰し」だといえよう。

日本ハムだけでなく他球団もそういう形で密約を潰し、素知らぬ顔で選手を好き放題に指名するようになれば、タンパリングまがいの密約は行われなくなるだろう。それこそ「人治」が「法治」に戻るというものである。

「野球業界」にのこる利権やおかしな慣習は百害あって一利なしだ。日本ハムの英断を他球団も見習ってほしい。



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