最近の韓国の大混乱を見ていると、この国は「民主主義」をはじめとする「公正なルール」が社会に根付いていない国だということを痛感する。


やはり、近代化する過程で日本の植民地だった時期が長く、自治や民主主義が根付かなかったことが大きいのだろう。
いまだに法治主義よりも人治主義が幅を利かせている。地縁血縁にまみれた権力者は常に腐敗し、同じような転覆劇が繰り返し起こる。それ以外の政権交代の術がない。

国民は、国内での闘争に血道をあげ、世界が韓国をどう見るかに思いが至らない。

経済大国を自認し、世界十大大国の一つとまで自らを誇るが、こうした醜聞が、世界の信用を損なうことに、かの国の人々は無頓着であるかのように思う。

腐敗に伴うスキャンダルを繰り返し起こすのは、韓国球界も同様だ。

KBOは、2012年にLGツインズの2選手が、野球賭博ブローカーと組んで八百長事件を起こした。
先発投手の朴顯俊と金聖賢は、永久除名処分になった。
このスキャンダルで、サッカーのKリーグやバレーボールなど韓国のスポーツ界が、スポーツ賭博に汚染され、ブローカーが暗躍していることが明るみに出た。

それからわずか4年後の2016年7月、NCダイノスの李太陽、起亜タイガースの柳昌式が八百長に関与していたことが発覚、李は永久除名の上、刑事事件として訴追され執行猶予付きの有罪判決を受けた。
そしてさらに深刻な事実が発覚する。

昨日、NCダイノスが、2014年に選手が八百長に関与したことを把握しておきながらこれを隠蔽し、他球団に放出、補償金を得ていたことが発覚したのだ。

朝鮮日報
事件を捜査してきた京畿北部警察庁は同日、NCのゼネラルマネージャー(47)と運営本部長(45)を詐欺容疑で立件したことを発表した。発表によると、2人は所属選手たちの八百長を認識していながら韓国野球委員会(KBO)に報告せずに隠ぺいしたとのことだ。しかも、NCは八百長が疑われる選手を他球団に放出し、補償金10億ウォン(約9100万円)を手にしていた。

NCダイノスは、2011年創立。今年初めて韓国シリーズに進出し、惜しくも斗山ベアーズに敗れたが、新興球団として人気が高まっていた。

KBOは今季、初めて観客動員が800万人を超え、ナショナルパスタイムとして国民に定着しつつあるが、こうした事件が立て続けに起こるのは、まさに痛恨事と言えよう。

おそらく、実態はこの一事だけではなかっただろう。背後には野球賭博にかかわる裏社会に関与があったと思われる。

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野球界において「八百長」は、「死に至る病」である。洋の東西を問わず「八百長」は球界の危機に直結する。
NPBでこの春に起こった野球賭博事件も、せんじ詰めれば「八百長」への懸念が根底にあるのだ。

韓国は「法」が「人」に捻じ曲げられる宿痾をもっている。何度も同じ事件を繰り返すのは、ルールよりも「人の縁」の方が強いという、文化風土が背景にあるからだろう。
このあたり、日本の野球界にも似た体質があると思えるが。

同じような体質の台湾は、八百長事件のためにプロ野球CPBLが発展せず、マイナースポーツのままだった。ようやく立ち直りの兆しを見せたが、今度は韓国である。

NPB、日本の野球界は、成長のためには東アジアをマーケット、そして共存共栄の野球コミュニティにしていかなければならない。
そのことを考えるとKBOの腐敗は、他人事ではない。
「人治」ではなく「法治」がスタンダードにならない限り、世の信頼は得られない。



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