少し前の話題だが、履正社の山口裕次郎が日本ハムのドラフト6位指名を蹴った件。
ベースボール・チャンネルに小宮山悟の意見が掲載されていた。
履正社・山口選手の決断は尊重も……条件付きプロ志望届が既成事実化される懸念【小宮山悟の眼】
小宮山は日本ハムが「3位以下ではいかない」といった山口を指名したことも、その山口が日本ハムの指名を蹴ったことも、悪くはないと言っている。
しかし、今のドラフトの制度上、プロ入りを志望する選手が事前に「条件提示」をすること自体には問題があると言っている。
今の高校生のドラフト指名は以下の手順を踏む
1. 各球団からドラフトで指名する可能性のある選手への調査書の送付
2. 選手が、調査書のプロ志望の有無などを記入して返信
3. プロ入りの意思がある選手はプロ志望届を学校に提出
4. 学校がこれを公表
これは、昔の桑田真澄のように「進学すると言っておきながら実は巨人」みたいな詐術を防ぐためだ。
また就職や進学の意志が固い選手を球団が指名して、指名権をみすみす無駄にするのを防ぐためでもある。
選手、球団双方にとって合理的な意味がある。
独立リーグの選手はオフになると「今年は調査書2枚貰った」などと仲間内で話している。球団にも報告されるから、みんなわくわくするのだ。
よく冗談で、ええ歳をしたおっさんがドラフト当日に「ドラフトで指名されたら困るので、携帯電源入れておく」みたいなことを言うが、そのおっさんに調査書が来ていない限り、指名されることはないのだ。
学校でドラフト前に記者会見場が設けられ、記者が押し寄せるのは、プロ志望届を出しているからだが、その前提には調査書がきていることがあるのだ。
ごくたまに調査書をもらって、プロ志望届を出したにもかかわらずどこからも指名されないことがある。
各球団の優先順位は決まっている。くじの結果いかんでは下位指名の予定が変更になることもある。
選手には極まりの悪いことだが、これは仕方がないのだ。
調査書は「指名確定通知書」ではない。あくまでも「指名するかもしれませんよ」という書類なのだ。
選手側はこの調査書で、詳細な条件を提示してはいけないことになっている。
これは当然の話だ。
調査書、プロ志望届というややこしい仕組みは、プロからアマへ選手が移籍する際に起こった過去のトラブルへの反省からできたものだ。
アマチュア選手は、「プロに行きます」ということだけを意思表示する。
プロ球団は「指名するかもしれません」とだけ意思表示をする。
あとは、ドラフト当日の結果に任せる。その不確実性を、選手もプロも容認してはじめて成立する話なのだ。
山口が調査書の欄外に「4位以下ではいきません」と書いたのか、スカウトなどにそう漏らしたのかもしれないが、それは昔の「密約時代」にもどることであり、やってはいけないことなのだ。
日本ハムが「密約をほごにする」ためにあえて指名したのかどうかはわからないが、そういうことが横行しては、またドラフトが汚れてしまう。既成事実化しないために、こうした動きには意味がある。
「条件を付けても、強行指名されるかもしれない」と選手が思うことは、抑止力になるだろう。
小宮山悟は、最後に
プロでプレーしたい意向がある場合、高校生の段階で才能の輝きだけを評価して指名してもらえるのなら、素直にプロの道に進んだほうがいいと思う。
と書いている。
高校と比べて、大学、社会人とカテゴリーが上がれば、野球のレベルも格段に上がる。その中で目立つ存在にならなければ、プロから声はかからない。
カテゴリーが上がるだけ、プロへの入り口が狭き門になることだけは知っておいてもらいたい。
これはプロ野球経験者にしか言えない、含蓄のある言葉だと言えよう。
小宮山は日本ハムが「3位以下ではいかない」といった山口を指名したことも、その山口が日本ハムの指名を蹴ったことも、悪くはないと言っている。
しかし、今のドラフトの制度上、プロ入りを志望する選手が事前に「条件提示」をすること自体には問題があると言っている。
今の高校生のドラフト指名は以下の手順を踏む
1. 各球団からドラフトで指名する可能性のある選手への調査書の送付
2. 選手が、調査書のプロ志望の有無などを記入して返信
3. プロ入りの意思がある選手はプロ志望届を学校に提出
4. 学校がこれを公表
これは、昔の桑田真澄のように「進学すると言っておきながら実は巨人」みたいな詐術を防ぐためだ。
また就職や進学の意志が固い選手を球団が指名して、指名権をみすみす無駄にするのを防ぐためでもある。
選手、球団双方にとって合理的な意味がある。
独立リーグの選手はオフになると「今年は調査書2枚貰った」などと仲間内で話している。球団にも報告されるから、みんなわくわくするのだ。
よく冗談で、ええ歳をしたおっさんがドラフト当日に「ドラフトで指名されたら困るので、携帯電源入れておく」みたいなことを言うが、そのおっさんに調査書が来ていない限り、指名されることはないのだ。
学校でドラフト前に記者会見場が設けられ、記者が押し寄せるのは、プロ志望届を出しているからだが、その前提には調査書がきていることがあるのだ。
ごくたまに調査書をもらって、プロ志望届を出したにもかかわらずどこからも指名されないことがある。
各球団の優先順位は決まっている。くじの結果いかんでは下位指名の予定が変更になることもある。
選手には極まりの悪いことだが、これは仕方がないのだ。
調査書は「指名確定通知書」ではない。あくまでも「指名するかもしれませんよ」という書類なのだ。
選手側はこの調査書で、詳細な条件を提示してはいけないことになっている。
これは当然の話だ。
調査書、プロ志望届というややこしい仕組みは、プロからアマへ選手が移籍する際に起こった過去のトラブルへの反省からできたものだ。
アマチュア選手は、「プロに行きます」ということだけを意思表示する。
プロ球団は「指名するかもしれません」とだけ意思表示をする。
あとは、ドラフト当日の結果に任せる。その不確実性を、選手もプロも容認してはじめて成立する話なのだ。
山口が調査書の欄外に「4位以下ではいきません」と書いたのか、スカウトなどにそう漏らしたのかもしれないが、それは昔の「密約時代」にもどることであり、やってはいけないことなのだ。
日本ハムが「密約をほごにする」ためにあえて指名したのかどうかはわからないが、そういうことが横行しては、またドラフトが汚れてしまう。既成事実化しないために、こうした動きには意味がある。
「条件を付けても、強行指名されるかもしれない」と選手が思うことは、抑止力になるだろう。
小宮山悟は、最後に
プロでプレーしたい意向がある場合、高校生の段階で才能の輝きだけを評価して指名してもらえるのなら、素直にプロの道に進んだほうがいいと思う。
と書いている。
高校と比べて、大学、社会人とカテゴリーが上がれば、野球のレベルも格段に上がる。その中で目立つ存在にならなければ、プロから声はかからない。
カテゴリーが上がるだけ、プロへの入り口が狭き門になることだけは知っておいてもらいたい。
これはプロ野球経験者にしか言えない、含蓄のある言葉だと言えよう。
プロチームのドラフト指名により、内定先を選手から断らせることで、プロではない選手と、内定先の学校や企業の顔を潰すことになるのが問題だということが、この論説には述べられていなかった。
低い評価のプロチームと、早い段階で主力評価の大学チームや社会人チームのどちらが良いかを選べるようにするために、「ダブル・スタンバイ」しておくのは、浪人を避けるリスク管理の上で当然。
順位縛りを条件にするのは、社会人や大学のチームが内定条件にされるからだと聞いた。
昨年、東海大菅生から国際武道大学に進んだ勝俣翔太は、大学からドラフト2位以内の指名でなければ進学する条件をつけられ、本人はプロに下位でも行きたかったものの、元中日の若林弘泰監督の勧めで大学の内定を優先した。
東海大菅生の若林監督は、自分がドラフト5位入団だったから、下位指名の悲哀を知っていてのことだとしている。
高卒プロ入りで若くして引退の若者達が比較的苦しい人生を歩みがちだけに、簡単に答えは出せないのではないか。
そういえばこの小宮山悟は、早稲田大学に一般受験して入学した球界の「インテリ」ながら、トップクラスの選手は野球に専念すべし、のタイプなのが意外。