「大阪はこんな街ではない」と、多くの大阪人が言ってきたのである。


厚かましくて、声が大きくて、何かというと東京を目の敵にして、いちびり(調子のり)で、ギャグばかり言う。
大阪人のこうした味の濃いキャラクターは、ほんの最近、できたものだ。

大阪で、ローカルで低質な笑いを発信していた吉本興業が東京へ進出し、「あのパワーは東京にはない」「貪欲に笑いを取る姿勢はすごい」と、言語感覚が鋭いとは言えない東京の評論家や識者に勘違いさせて、全国区になったこと。

そして1985年の阪神タイガースの優勝に乗じて、おかしな連中が街に繰り出して騒いだのを「大阪の阪神ファンのパワーはすごい」と東京のとんちんかんが勘違いをして、妙な持ち上げ方をしたこと。

こうした「東京からの照り返し」が、こうした連中に「あ、俺らって面白いんや」「東京もんがすごいというほど、特別の存在なんや」と勘違いをさせて、増長させたのだ。
つまり東京の勘違い×大阪の勘違いが、今の大阪像を作っている。どっちの側の勘違いも大して感度のよくない人によって引き起こされたのだが。

端的に言えば、行き過ぎた阪神ファンのパフォーマンスは「東京受け」を意識しているのだ。

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阪神はその照り返しを受けて、ふつうの球団から変質した。
阪神電鉄の株主総会は、阪神ファンの「ガス抜きの場」と化している。

「なぜバッティングコーチが片岡なのか? あれが阪神で活躍したことがあるのか? みんな打てないようにしている」
「外国から帰ってきて、全然、活躍せえへん人がいますな。株主総会に合わせたかのように2軍に落としましたが」
「(和田監督は)普通にやっていたら勝てるもんを、わけのわからんことをやって負けてくれる。どうか『難しいことせんでよろしいから普通にやるように』と監督に言っておいてください。まあ(和田監督の)続投はないとは思います。普通に、このままいったらクビやと思いますが、やるなら本気でやれと言っておいてください」

結果論で、特定の個人を批判する。これは野球ファンのすることではない。
誰も非難しないのをいいことに、言いたい放題する。これは球団のファンのすることでもない。

都会人とは物事の理非を噛み分け、大きな期待もしない代わりに、そんなに失望せず、長い目で見つめるような人たちのことだ。
数は多くないが、南海ホークスや阪急ブレーブスのファンは、都会人の匂いがあったように思う。
阪神は、東洋のマンチェスターと言われた大阪の労働者階級の支持を得てきた。もともとお行儀のよい球団ではなかったが、それがさらに劣化した。

今、阪神は他の地方の試合でも多くの応援団が駆け付けるが、その中には大阪人でもないのに「阪神のおらおら」の乗りに染まっている人もいるようだ。こういうあくの強いキャラクターは伝染するのだ。

あたかも阪神ファンと吉本を代表するような橋下徹という政治家、「維新の会」という政党が生まれたことで、大阪は「そんな町」だと思われている。そうした「調子乗り」が、日本全体を変えてしまいかねない勢いだ。

大阪は、関西は、本当はそうではないよ、と改めていっておきたい。

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