スポニチ
日本ハムからFA宣言した陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(29)の巨人入りが6日、決定的となった。糸井嘉男外野手(35)のFA宣言にともない獲得の意思を表明していたオリックスに同日、代理人を通じて断りを入れた。楽天の交渉も難航しており、今月に入ってから争奪戦に緊急参戦した巨人が3年総額10億円以上の条件で大逆転。山口俊、森福に続く、初のFA選手「トリプル獲り」によって、今オフの24億円超の大型補強が完成する。
巨人は、三軍まで作って選手育成を目指していたはずだが、そうした試みと矛盾する補強をまたやらかした。このチームの悩ましさは、救いがたいと思う。

しかし陽岱鋼本人にとっては、ベストの選択ではなかったか。

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D-Yo


今、まさに彼は全盛期を迎えようとしている。打撃でも、守備でも異能を発揮しつつある。

2011年ころから陽はスターのオーラを出し始めた。遠めでもわかるくらいに躍動感があり、目立つ存在になっていった。
それとともに年俸は上がっていった。
私は、陽はMLBに挑戦するのだろうと思っていた。しかし糸井の一件以降その可能性はなくなった。

こうなると日本ハムがどこまで陽の年俸を支払うのか。いつまでプレーさせるのかという問題になっていた。
「育成のチーム」日ハムは、最近、どんどんいい外野手がでてきている。
それは「高給取りになりつつある陽に代わるレギュラーを作る」という命題でもあったと思う。

昨年、故障、不振に陥ったことで、陽の資産価値はやや落ちた。日ハムとしては、若手の成長度合いと両にらみで、陽の放出を考え始めたことだろう。

そして、今年、日ハムは実質的に陽を放出した。ポストシーズンでの陽の元気のなさ、憔悴ぶりは「生まれ育ったチームを出される」というショックによるものと思われた。

望まぬFA。オリックス、楽天への移籍は「水平移動」であり、モチベーションは上がらない。

巨人は「昔の人気球団」ではあるが、やはり腐っても鯛であり、注目度は上がる。
しかも日ハムと違い、「育成下手」あるいは「育成の意味を知らない」巨人は、成績さえ出していればいつまでも使ってくれる。「お客さん」は甘やかしてくれる。
そして外野はギャレット、長野がいるが、次の一枠が決まっていない。若手がいるにはいるが、陽は間違いなく優先的に使ってもらえる。

もう一つ言えば、台湾では、陽を通じてNPBの人気が高まっていた。露出の多い巨人に移籍することで、その人気は持続できるだろう。
台湾では、今、圧倒的に日ハムが人気だが、今後は巨人のユニフォームを着た人が増えるだろう。

「陽」は、台湾では希少な姓だ。原住民の姓であり、一族からは多くのアスリートが輩出している。栄光の一族なのだ。その出世頭である陽岱鋼は、スターであり続けなくてはならないのだ。

巨人はこれでまた「まともなチーム」になるチャンスを失った。何とかにつける薬はない、ということだが、陽岱鋼が東京ドームでスーパープレーをするのが楽しみだ。

くれぐれも怪我をしないようにしてほしい。




nabibu-Yakyu01
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