2016年のNPBでは、22歳以下の選手はどのように起用されているのか?

お断りしておくが、これはあくまで「野手」の基準だ。
投手は、各球団ともに、高卒でも使える投手はどんどん使っている。それだけ人材が少ないからだろう。
また、投手の場合、ブルペンや練習試合などで使えるかどうかはある程度めどが立つ。野手は、練習でいい当たりを飛ばしても、シーズン通して試合で使えるかどうかは、使ってみなければわからない。
今、展開している育成論は、野手に限ってのものだ。

ちょっと頭の悪いコメントもあったので、言っておくが、もちろん、何歳で入団してもチャンスも与えられず、レギュラーにもなっていない選手はたくさんいる。あたりまえのことだ。
しかし、どの球団にも一定数の有望選手はいるはずだ。そういう選手にチャンスを与えているかどうか、ということだ。

2016年、各球団の22歳以下の野手の起用状況。早生まれの大卒選手も含まれる。

パ・リーグ

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20人いる。このうち5人が60試合以上起用されている。大谷翔平は別格としても、他にも若いうちから抜擢された選手は結構いるのだ。

こうした起用は先行投資だ。若いうちに一人前になってくれれば、球団は安泰なのだ。

気になるのはソフトバンク。12球団一選手層が厚いためか、今季は上林以外に22歳以下の野手の起用はなし。実は昨年も上林だけだった。
金満球団になったために、抜擢が難しくなっている。巨人と同じような状況になる恐れがある。

セ・リーグ

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(北條が抜けていました)。

14人。60試合以上は5人。セの方が抜擢人事は少ない。保守的だと言ってもよいかもしれない。

広島は、高卒野手をどんどん起用してきた。今季も鈴木誠がブレークしたが、育成の何たるかを分かっていると言えよう。
前にも言ったが鈴木は2年前、台湾の21Uで活躍したが、地元のジャーナリストも注目していた。

DeNAも積極的な起用が目立つ。

中日の高橋周平は、毎年キャンプで徹底的にしごかれているが、4年目にしてようやく数字に表れてきた。

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ヤクルトは相川亮二の人的補償で巨人からとった奥村と廣岡を少し使っただけ。私事ながら廣岡は昔大阪の阿倍野に住んでいた時、よく買いに行ったコロッケがおいしいお肉屋さんの倅だ。店でちょろちょろしていた子供があれか、と感慨深かった。頑張ってほしいものだ。

阪神は若手の抜擢が「超変革」の目玉だったが、北條以外は率直に言って大したことはない。とっかえひっかえせず、もっとじっくり使うべきだろう。

こうしてみても、巨人の若手起用が12球団でも非常に少ないことがはっきりわかる。

しかし、これは今年だけのことではないのだ。坂本勇人は例外で、たまたまポジションが開いたとかそういう話ではないことは、次の更新で紹介しよう。




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