FAで巨人に移る陽岱鋼、山口俊の人的補償、つまりプロテクトリストから外れた選手として、片岡治大の名前が挙がっている。

今季は左手首有鈎骨骨折で、シーズンをほぼ棒に振っていた。
しかし、昨年オフの時点で片岡は、二塁レギュラーの座を外れていた。ロッテからルイス・クルーズを獲得したことでそれがわかる。

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巨人移籍時点で盛りの30歳。巨人としては打率.280以上、15本、50打点、30盗塁くらいは期待していたのだろう。
しかし片岡は西武の最後の3年間、捻挫、左肩脱臼、右手三角靱帯損傷などの故障で、まともに働いていなかった。
この間に西武は浅村栄斗を一塁から二塁にコンバート。打てる二塁手として売り出した。

片岡は2013年にFA宣言をして巨人に移籍したが、冷静に考えれば、二塁をあけてまでこの選手を迎え入れる価値があったかどうか。
後付けでいうのは良くないが、巨人はゴールデングラブ賞、オールスター選手という肩書に目がくらんで、時価の値踏みを誤ったいうことかもしれない。

片岡のFA移籍に伴って、プロテクトから外れた脇谷亮太が西武に移籍した。

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脇谷は規定打席に1度達しているが、名前の通り「わき役」の印象が強い選手だ。内野のユーティリティとして便利使いをされてきた。
年齢的にも片岡より上であり、人的補償に供されるのも仕方がないとも思われた。ノンブランドの悲哀と言えば良いだろうか。

しかし西武の2年間で脇谷は守備だけでなく、しぶとい打撃でチームに貢献。昨年、FAで巨人に里帰りした。
人的補償で移籍した選手がFA移籍したのは初めてのケースだ。

復帰してからの脇谷は打撃不振に陥ったが、もともと大きな期待があった選手ではない。サヨナラ本塁打も打ったし、それなりに活躍した。

FA移籍した選手とその人的補償した選手が、今はチームメイトとなっているが、球団の二人に対する心証はずいぶん違うだろうと思う。

方やFA移籍しながら期待を裏切った選手、方や人的補償でチームを出ながら活躍して帰ってきた選手。いずれを「愛い奴」と思うかは明らかだろう。

片岡は大幅年俸ダウンで更改したが、球団としては「もう必要ではない」と思っているのだろう。脇谷は今季から鈴木尚広の「12」を継いだ。鈴木のように渋いわき役として、長く活躍することが期待されている。

まさに両者の関係は3年前のオフから逆転した。

巨人の「選手を見る目の無さ」も浮き彫りになった。二人には皮肉なドラマとなったが、これはこれでスポーツを語るものには人間臭い「おいしいネタ」である。

片岡のリベンジはあるのだろうか?


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