高校相撲で暴力事件が起こった。
毎日新聞

福島県郡山市の日本大学東北高校相撲部で顧問を務める20代の男性教員らが、「指導」として部員を硬質のゴム製ハンマーでたたいたり、ノコギリで脅したりする暴力行為を繰り返していたことが日大本部への取材で分かった。
問題はこの後だ。

教員は学生相撲の名門・日大相撲部で主将を務め全日本選手権で準優勝している。けがをさせられ転校を余儀なくされた部員もいるが、教員は処分されておらず、現在も授業を受け持っている。
中略
日大本部企画広報部の担当者は「教員は部員を強くしようと思うあまり指導が行き過ぎた。本人も反省している」と説明した。一方で処分をせずに授業やクラス担任を続けさせることについては「(相撲部の指導と)授業とは関係ない」との見解を示している。

一昨日も述べた通り「暴力」は、「指導」ではなく、人権の抑圧、蹂躙であり、違法行為だ。
しかしずっと「暴力」が教育の手段として容認、肯定されてきた日本では、底流としてこれを容認する動きがある。
「殴られ、叩かれして強くなる」と、人間と金属の区別がついていないような言い草がまかり通ってきた。

相撲部関係者は「昔なら問題でも何でもなかったのに」という気持ちがあって、生徒が転校するような事態を招いたのにもかかわらず、教師をかばおうとしている。

日大相撲部は、横綱輪島以来多くの力士を輩出している名門中の名門だ。高校はその下部組織として活動しているが、上部の判断として、こういうことをするのなら相撲部を廃止すべきである。

高校相撲部の選手たちは、力士と言ってよい巨大な体躯をもっている。指導者も同様だ。
そういう肉体的優位にあるものが「暴力容認」の姿勢を取るのは、大げさに言えば社会的脅威である。
言うことを聞かせるとき、物事を教え込むときに、言葉ではなく、殴ったりけったりで教えるような、人間と畜類の区別のつかない指導者は、即刻辞めさせるべきだ。
そういう判断ができない組織は、社会悪だと言ってよい。

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野球もそうだが、今の体育会系の部活から暴力が消えているのは、人権意識が高まったからではない。「やってはいけない」と決まったからだ。
でも多くの指導者は心の底から納得してこの禁令を守っているわけではない。
自分の無知、不勉強を棚に上げて「こんなのでいい選手が育つはずがない」と思っている。

さらに言えば、指導者の役割は「どんな手段を使っても勝つこと」にあって、生徒にスポーツを享受させること、スポーツを通じて人間性を高めること、ではないと思っている。

相撲にも指導者ライセンスはなかったと思うが、こういう形で暴力集団を生み出す装置が存続しているのなら、即刻ライセンス制を敷くべきだろう。そして「暴力容認」指導者をすべて追放することだ。

高校野球でも来年以降、間違いなく暴力沙汰が起きるだろうが、生徒を殴った指導者は永久追放すべきだし、暴力沙汰を起こした高校は、野球部を解散すべきだ。
人間として一番大事な「人権」を理解できない輩はスポーツマンでも指導者でもない。


2015・16年金田和之、全登板成績【2年間で16試合の登板に終わる】

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