このサイトを始めて、まる7年がたった。livedoorに引っ越してからでも5年、1日も休まず。最低でも3本、平均すれば4本強のブログを書いている。すべて大なり小なり野球に関するブログだ。
コンテンツは全部で8000本を超す(このブログで8385本)。我ながら、あほと違うか、と思わなくもない。

しかしそれだけ、野球というスポーツが奥深く、語りつくせない魅力にあふれているということだ。
そうでなければ、ここまで書くことはできない。
当サイトには、時折、野球が嫌いで、それを貶める目的でコメントを書いてくるへそ曲がりがいるが、彼らは野球選手の不祥事をいろいろ書き立てることはできるが、野球そのものを貶めることはできない。それが「なぜ面白くないか」を説得力をもって書くことができない。筆力がないということもあろうが、野球自体は深みのある魅力的なコンテンツだから、それを貶めるのは難しいのだ。

今年も野球の試合を30試合ほど見たが、やはり面白い。接戦もあれば、ワンサイドゲームもある。試合展開的には凡戦と言えるような試合でも、見どころはたくさんあるものだ。
一つ一つのプレー、試合の流れ、選手の動きなど、注目すれば、いくらでも面白いものはある。
特に個々の選手に注目すると、いろいろなモノが見えてくる。私は、記録屋だから、選手を見るときはざっくりしたキャリアSTATSを頭に思い浮かべながら見る。この選手は、今どれくらいのキャリアなのか。通算10安打か、1000本を超えているのか、100勝投手か、それを頭の隅に入れながら見ると、ボールを見送る、打球をカットする、捕手のミットを見る、と言ったしぐさ一つ一つに意味を感じることができる。1本の安打はその人のキャリアにどれくらいのものを積み上げるのかを考えるのも面白いものだ。

中で、私が今年、しみじみ面白いと思ったのは「若手の台頭」に立ち会うときだ。
昨今でいえば、大谷翔平が、入団時の世間を騒がせた”甲子園の人気者”から、”大物新人”そして”チームの命運を握る主軸”へと昇っていく様は、本当に目覚ましかった。「自分は歴史を目の当たりにしているのだな」という実感があった。

記憶をたどれば、私は掛布雅之あたりから、そういう「台頭のドラマ」を意識してみてきた。
掛布は人気と実力が、ほぼ同時に高まっていった選手だったが、大歓声を背にルーティンを繰り返す掛布は、本当に格好良かった。
鈴木孝政が快速球を引っ提げて登場した時も、格別の味わいがあった。投球練習の時から、躍動感あるフォームでぽんぽんと木俣達彦の構えるミットに投げ込んでいく。糸を引くような直球には胸がすいた。
清原和博は、高卒早々から、右打席で非常に偉そうだった。大阪球場では、ヤジる一塁側をにらみつけた。時にはわざとファウルを叩きこむときもあった。
イチローのNPB初の200安打超えにもどきどきしたものだ。まさにウィザードのようにバットを操るさまは、本当に驚異的だった。

プロスペクトがスターになるときの輝き、周囲の期待感を巻き込んで発するオーラは、どの選手も大体似たり寄ったりだが、選手の個性は一人ひとり全く異なる。同じ道具を使い、同じルールでプレーしていながら、かくも違うものかと思う。

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そうした「若手の台頭」の最新バージョンが、オリックスの吉田正尚だろう。今年後半に売り出した選手だ。小さい体で、打撃フォームもそれほど派手ではない。しかし、この選手は、どんな球もフルスイングしようと身構えている。
こしをぐっといれて、下半身から上半身へと回転のエネルギーを伝えていく。かなりの確率でボールはジャストミートされ、すごい勢いで遠くに飛んでいく。
私は台湾で、この選手の”ただモノではない感じ”をはっきりと確認した。
ウィンターリーグの投手のレベルが低かったこともあるだろうが、台湾での吉田は神がかっていた。
この選手は来年から、NPBでもこんなスイングをするに違いない、と確信した。

ことほど左様に、野球には「語りたいこと」「語るべきこと」が多いのだ。

私は、「勝った負けた」よりも選手個々のプレーに夢中になる。
残念なことに今のメディアはそういう部分をあまり語らないが、野球という果実の「@一番甘いところ」はそこではないかと思っている次第。




1973年加藤初、全登板成績

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