MLBのレビューを作っていて、愕然とすることはしばしばあるが、その最たるものがマウアーの通算打率だ。ここまで下落しているとは。

この選手は、イチローの好敵手だった。
長大な体だが、バットコントロールが抜群で、3度も首位打者をとっている。

キャリアSTATS 右端は通算打率

J-Mauer


イチローがMLBに挑戦した2001年のドラフトいの1番、NFLからも注目されていたアスリートだ。
マイナーのすべてのチームで3割以上を記録して、2004年にMLBデビュー。

2006年はデレク・ジーター、ロビンソン・カノのヤンキース勢との首位打者争いに勝って1回目の首位打者。
2008年もレッドソックスのダスティン・ペドロイアを2厘差で振り切って2回目の首位打者。
2009年は、イチローとの.350を超すハイレベルな競り合いに勝って3回目の首位打者。

捕手としても2008~2010年に捕手としてゴールドグラブを受賞。チームも中地区で優勝争いに絡む大躍進を見せた。

2010年段階で通算打率は.327、イチローはこの時点で.331だったが、マウアーがイチローを抜くのは時間の問題だと思われた。

しかし彼はこのあたりが頂点だった。この年オフにチームと8年1.84億ドルという巨額契約を結んだ。

2011年には左ひざの故障でDL入り。

以後2年、3割をマークしたが、チームは負担軽減を考えて、2014年、一塁にコンバート。
しかしここから3年、打率は3割を大きく割り込み、成績は下落し続けた。

今では通算打率は.308、現役では6位。怪我で欠場しているわけではないので、打数が多い。低打率を続ければどんどん通算打率は下がる。
契約は2018年まであるが、2年間500ずつ打席に立って、.250の打率を続ければ通算打率は3割フラットにまで落ちてしまう。

以後の契約もおぼつかないだろう。
マウアーの年俸は2300万ドル。この負担がチームを圧迫し、ツインズは補強もままならず低迷している。

大型契約が選手を腐らせる例はけっこうあるが、ここまで深刻な例はそんなにない。

2000本安打まではいくだろう。でも殿堂入りはあり得ないだろう。
巨額契約で彼自身の人生は、安泰だろうが、残念としか言いようがない。


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