日本経済新聞
ミズノやアシックス、ゼットなどスポーツ用品メーカー21社 野球とソフトボールの振興を目指す「野球・ソフトボール活性化委員会」を設立したと16日、発表した。

「球活」という略称でプロ野球の日本野球機構(NPB)などと協力して、親子のペア1万人をプロ野球の試合に招待したり、小学生向けの野球教室を開いたりして競技人口の拡大を目指す。サッカーなどに押され、野球の競技人口は減っている。各社が連携して市場縮小を食い止める。

私が調べた限りでも、「野球離れ」によってスポーツ用品メーカーの野球用具の売上は激減している。
特に軟式野球の用具の売り上げ減は深刻だ。

ついにメーカーが大同団結して野球の底辺拡大に乗り出したわけだ。
「球活」はいいネーミングだと思う。

問題は、2点。

誰に、どのように「球活」をするか?

少年野球に入っている子ども相手に野球教室をやったり、プロ野球の試合に招待するのはあまり意味がない。
すでに彼らは「野球離れ」をかいくぐって野球をしている「生き残り」だからだ。
それ以外の子どもに野球をアピールしなければならない。
いまどきの多くの子どもは幼稚園や小学校低学年で、サッカーなど他のスポーツのクラブに入ってスポーツをはじめている。野球の競技人口は5、6歳くらいで、他のスポーツに奪われているのだ。
小学生向けの野球教室をするようだが、低学年に重点を置くべきだ。
その内容も「野球を知っている」ことを前提にするのではなく、「何も知らない」子供をターゲットにすべきだ。
さらに、今までの野球指導者は、とりあえず全員ご退場いただくべきだ。
いきなり子どもに「もっとしっかり挨拶しろ!」「グランド10周」というような馬鹿な大人が「野球離れ」を促進したのだ。
サッカーに学んで、子どもが「もっとやりたい」と思うような指導をしなければならない。

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誰と組んで「球活」をするか?

NPBと組んで「球活」をするようだ。それは良いことだと思う。NPBの各球団は普及活動を独自に行っている。すでにノウハウがある場合も多い。プロ野球と組むのは有効だと思う。
しかし、地域で野球と接する機会は、圧倒的にアマチュアの方が多い。指導者もアマ出身が多い。
こことしっかり組まないと、意味がない。
高野連、学生野球連盟を巻き込まないと、「球活」は上手くいかないだろう。
厄介なことに、アマ野球の指導者に問題が多い。昔ながらのスパルタ指導だったり、「教えてやる」と上から目線だったりする。
またテリトリー意識が強いので、頭越しにメーカーが「球活」を始めると、「何で勝手にそんなことするんだ」と言いかねない。
野球界が一枚岩になって「球活」をしないと、効果はないのだ。

「球活」は20年くらい地道にやる覚悟が必要だ。5年、10年では歯止めは聞かない。
ありていに言えば、1993年にサッカー界は「野球から子供を奪う」ことを決めて、こつこつと底辺拡大をしてきたのだ。
野球界は何もしなかった。気が付いてみればこの体たらくだったのだ。
そのことを認識して、死ぬ気で頑張ってほしいと思う。

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