昼に出した地方大会参加校数の表でもわかるが、長野県も高校野球人口の減少に悩んでいる。
2001年に98校あった参加校数は84校にまで減っている。14%の減少だ。
珍しく、昨年8月には毎日新聞がこれを報じている。
高校野球人口 統廃合、部員不足…減少止めるカギは進学後
記事では、長野県高野連に取材をし、その原因を
「長野県高校野球連盟によると、少子化による学校の統廃合や部員不足などが原因という。」
と報じている。口が腐っても「高校野球そのものに問題がある」とは書けないのが、毎日の残念なところではある。
長野県高野連は、中学以下の野球チーム、指導者を集めて「長野県青少年野球協議会」を設立。
今月14日に「長野県ベースボールサミット」を開催した。
このこと自体は、一歩前進と言うべきだろう。
これまでバラバラに活動していた、高校野球、中学野球、リトルシニア、ボーイズ、少年軟式野球などの団体が一本にまとまったのだ。
少年野球人口の減少を食い止め、高校でも野球を続けさせるために、少年野球が一枚岩になるとすればそれは喜ばしい。
しかしながら、サミットの中身は、私にはかなり違和感がある。
「長野県青少年野球協議会」のサイトによると、当日のプログラムは以下の通りだ。
・記念講演 作新学院野球部監督 小針崇宏「全国制覇までの道のり」
・基調講演:NP0 法人北海道野球協議会理事長 柳 俊之 氏
・パネルディスカッション
パネリスト:小針氏、ウェルネス筑北監督:中原氏、佐久長聖監督:藤原氏
・今後の取り組みについて:協議会事務局長
事例発表:上伊那地区
いきなり高校野球の優勝監督の、成功事例の披露から始まるのだ。
高野連が仕切っているから仕方がないのかもしれないが、「野球離れ」の本質が、高校野球が胚胎する旧弊な体質だという認識がないままに、こういう会を開いているのだ。
この回の協賛には、朝日、毎日などの主要新聞社も入っている。
つまり今の「高校野球」の「与党」が集まって「改革」を叫んでいるのだ。これで効果が上がるとは考えにくい。
ただ、基調講演には傾聴すべき内容があった。
高校野球は、
「他競技に対し指導者は多いが、指導者の育成システムなし」
「他競技に対し施設は充実しているが、選手の育成システムなし」
「運動能力のある選手は多いが、Jr層の選手減少、対策未」
だという。長野に先立ってできた北海道野球協議会理事長の公演だが、現状認識としては正しいと思う。
ただ、この3要素は「競技力向上」を目的にしたものだ。「野球離れ」を阻止するためではない。
基調講演は
野球という「地方競技団体」として「ひとつに」なりましょう。
そして、「長野県全体」また、「各地域」という「大きな力」で対応しましょう。
と大同団結を提唱している。この一言において評価できるというべきか。
大同団結した野球協議会がやるべきは、「子供への野球の普及」だ。サッカーや他のスポーツに流れている子供に、野球の魅力をどうプレゼンテーションするのか、だ。
そのためには今の野球の問題点を虚心坦懐に検証し、改めるところは改めて、謙虚な姿勢で「子供」と「親」に接することが必要だ。
しかし、今の「青少年野球協議会」は、そういう姿勢ではないように思う。下手をすれば、高野連が少年野球を傘下に入れて、管理するのではないかと言う心配がある。
今、「野球離れ」について危機感を抱いているのは、子供たちに接する少年野球の指導者だ。彼らの意見や認識が、反映される組織でないと、協議会は意味がない。
頑迷な高野連が、少年野球を組み敷くような「一体化」が全国に広がらないか、大きな危惧を抱く。
三村敏之、全本塁打一覧|本塁打大全
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「長野県高校野球連盟によると、少子化による学校の統廃合や部員不足などが原因という。」
と報じている。口が腐っても「高校野球そのものに問題がある」とは書けないのが、毎日の残念なところではある。
長野県高野連は、中学以下の野球チーム、指導者を集めて「長野県青少年野球協議会」を設立。
今月14日に「長野県ベースボールサミット」を開催した。
このこと自体は、一歩前進と言うべきだろう。
これまでバラバラに活動していた、高校野球、中学野球、リトルシニア、ボーイズ、少年軟式野球などの団体が一本にまとまったのだ。
少年野球人口の減少を食い止め、高校でも野球を続けさせるために、少年野球が一枚岩になるとすればそれは喜ばしい。
しかしながら、サミットの中身は、私にはかなり違和感がある。
「長野県青少年野球協議会」のサイトによると、当日のプログラムは以下の通りだ。
・記念講演 作新学院野球部監督 小針崇宏「全国制覇までの道のり」
・基調講演:NP0 法人北海道野球協議会理事長 柳 俊之 氏
・パネルディスカッション
パネリスト:小針氏、ウェルネス筑北監督:中原氏、佐久長聖監督:藤原氏
・今後の取り組みについて:協議会事務局長
事例発表:上伊那地区
いきなり高校野球の優勝監督の、成功事例の披露から始まるのだ。
高野連が仕切っているから仕方がないのかもしれないが、「野球離れ」の本質が、高校野球が胚胎する旧弊な体質だという認識がないままに、こういう会を開いているのだ。
この回の協賛には、朝日、毎日などの主要新聞社も入っている。
つまり今の「高校野球」の「与党」が集まって「改革」を叫んでいるのだ。これで効果が上がるとは考えにくい。
ただ、基調講演には傾聴すべき内容があった。
高校野球は、
「他競技に対し指導者は多いが、指導者の育成システムなし」
「他競技に対し施設は充実しているが、選手の育成システムなし」
「運動能力のある選手は多いが、Jr層の選手減少、対策未」
だという。長野に先立ってできた北海道野球協議会理事長の公演だが、現状認識としては正しいと思う。
ただ、この3要素は「競技力向上」を目的にしたものだ。「野球離れ」を阻止するためではない。
基調講演は
野球という「地方競技団体」として「ひとつに」なりましょう。
そして、「長野県全体」また、「各地域」という「大きな力」で対応しましょう。
と大同団結を提唱している。この一言において評価できるというべきか。
大同団結した野球協議会がやるべきは、「子供への野球の普及」だ。サッカーや他のスポーツに流れている子供に、野球の魅力をどうプレゼンテーションするのか、だ。
そのためには今の野球の問題点を虚心坦懐に検証し、改めるところは改めて、謙虚な姿勢で「子供」と「親」に接することが必要だ。
しかし、今の「青少年野球協議会」は、そういう姿勢ではないように思う。下手をすれば、高野連が少年野球を傘下に入れて、管理するのではないかと言う心配がある。
今、「野球離れ」について危機感を抱いているのは、子供たちに接する少年野球の指導者だ。彼らの意見や認識が、反映される組織でないと、協議会は意味がない。
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