WBCに日本は、これまでもろ手をあげて賛成、応援してきたが、いろいろ不協和音が出ている。問題が出ている。これについて議論するのは、良いことだと思うのだが。

昨日、ビートたけしは、TBSの「ニュースキャスター」で、大谷翔平がWBCを辞退したことについて、
「22歳でしょ、これで何かあって失敗したらどうすんの」「先が長いんだから、無理して出る必要はないよ」と語った。
で、そこから「メジャーリーグだって大したのが出ないんでしょ」と続けてしまった。
TBSはWBCの放映権を持っている。安住紳一郎アナが慌ててフォローを入れた。
たけしは「ごめん、『大したことねぇとか、そういうこと言わないでくれ』とプロデューサーから釘刺されていたのよ」とフォローにならないフォローをし、「見た方がいいですよ! もしかしたら、左手で投げるかもわからない」と締めくくった。

この番組のたけしは口跡が悪くて聞き取りにくいのだが、番組冒頭のこの部分は妙にはっきりしていた。
たけしはつい口を滑らしたのではなく、確信犯として言ったのだと思う。

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WBCが日本の野球を盛り上げる一大イベントであるのは間違いない。2006、2009、2013と高い視聴率をたたき出してきた。サッカーがワールドカップで盛り上がるのと同様、野球もWBCで地盤沈下しつつある人気を復活させる決め手になっているのだ。

しかしWBCは、興行面でも、その位置づけでも、非常に微妙なところにある。
参戦するプロ野球選手は、調整が浅い3月から全力プレーを余儀なくされ、ケガや故障のリスクにさらされる。しかしそれに対する補償はない。球団にしても大型契約をした選手をリスクにさらすことになる。
また収益にしても、MLB、MLB選手会がおいしいところをもっていってしまうと言われている。

そういう流動的な体制のまま、選手が決まり、大会が近づいてきている。
大谷翔平の問題も、「どこで怪我をしたか」「本当にプレーできないのか」「ダルビッシュのせいじゃないのか」など、ネットの常として問題が矮小化され、本質論にはたどり着かない。

侍ジャパンを運営するNPBエンタープライズも、広告代理店も、放送局も、見切り発車的に「盛り上がり」を作ろうとしている。
たけしは、このことに対して、皮肉交じりに異議申し立てをした。他の芸人ならば干されるような発言だが、たけしには許されたのだ。

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WBCは野球界にとって必要であり、有益だ。しかし、あまりにも問題点が多すぎる。
この大会の後で、WBCをどうするのか、をIBAF、MLB、NPB、KBOなどで話し合うべきだと思う。


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