私は川藤幸三が面白いと思ったことは一度もなかった。「浪花の春団治」というよくわからないニックネームも、彼の生きざまもよくわからなかった。しかし、今日の「サンデー・モーニング」ではじめて面白いと思った。
レギュラーの張本勲の横に並んだのだ。
基本的に同じタイプ。プロ野球OBとして「若い奴はなっとらん」「気合が足りん」と発破をかける役どころ。先輩風を吹かせて、年よりのファンの溜飲を下げる芸風だ。

しかし、張本と並ぶと、川藤は小物感が半端ない。ヒグマの横に並んだマレーグマみたいに見える。通算安打数でいえば3085本対211本。秋山翔吾なら1年で打つ安打を19年もかけて打った川藤は、張本の前では技術論も、精神論もとてもじゃないが披露できない。

川藤は、おそらくまともなことを言うのをやめにした。張本の前では、突込みに徹しようと考えたのだろう。これが良かった。

昨日のWBC走行試合、侍ジャパンがふがいない試合をして、張本が「どうなってるんだ」と喝を入れると、川藤は
「まだはじまったばっかりやない、がんばれいうたらええねん」
「おっさん、今からなにをかんかんになっとんねん」

と突っ込む。
「でも、時間がないんだよ」と張本が返すと
「大丈夫やがな、あいつら、ちゃんと仕上げてきよるて」
とうまくいなした。

柔道のグランドスラムで、16歳の阿部詩が優勝したニュースでは
「川藤さん、16歳の時、何をしていましたか」と関口宏に振られると、
「わしか?わしはその頃、よその畑、荒らしとった」でスタジオを沸かせた。本当に熊である。

競歩の鬼塚 翔太の話題では、
「えらいのお、あいつらは」
関口が「練習は、きついそうですね」
「たまには走りたいと思うときも、あると思うで」

Kawato


しみじみ思ったのは、関西のテレビでもまれているうちに、間合いが良くなり、笑いのツボを押さえることができるようになったことだ。

張本勲の横にいたからなおさらそう思ったのかもしれないが、川藤はこういう軽い役どころにすると、いい味を出す。

解説者とか、正面から話を聞くのではなく、張本勲、野村克也などのお偉いさんの横に並べて、突込みをいれたり、茶々を入れさせれば、持ち味がでてくるのではないか。
何かまともなことを言わせようとするから、肩に力が入って面白くないことを言うのだ。

大物の横に置くことで、現役時代、軽い選手だったことの"実績"が活きてくると思う。

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