中居正広がどうの、と言う問題を抜きにすれば、今回のTBS、テレビ朝日のWBC中継は、まずまずよいのではないか。

端的に言えば「試合の邪魔にならない」のである。
試合そのものが異様に盛り上がっている中で、テレビはそれをそのまま伝えればいい。その基本が守られている。

テレ朝は清水俊輔アナ。甲子園なども担当する根っからのスポーツアナだが、私はこの局では一番マシなアナウンサーだと思っていた。非常に野球をよく知っているし、あまり絶叫しない。わかりきったことをくどくどと言い募らないのも好感が持てる。中居正広にほとんどマイクを向けないのもよろしい。

TBSは初田啓介アナ。この人もスポーツが好きでたまらないというのがわかる。この人はたびたび勘違いや言い間違いをする。Wikiを見たら、そのせいで降格処分になったと書かれている。今回の中継でもいろいろ言い間違いをして解説者にたしなめられているが、このアナも「試合の邪魔にならない」のがいい。間の取り方もいいと思う。

日本テレビには、河村亮アナを筆頭に「野球の熱いドラマは俺が作るんだ」という勘違いおしゃべり軍団がいる。局自身の方針だろうが、盛り上がっている局面で「盛り上がっている」「世紀の一戦」などという言葉を連呼することの逆効果、無意味さがわからない「頭が不自由な放送」には辟易する。

他局にもそういうアナウンサーがいる。
TBSの林 正浩アナはその典型で、2009年のWBCでは「この男さえいなければ」と何度思ったかわからない。林アナは幸いにも退職したようだが、彼の衣鉢を継ぐアナがいないのは幸いだ。

ベンチレポートにはTBSは石井大裕という「松岡修造の成りそこない」風のアナウンサーを起用しているのは気になるが、おおむね良好。

解説者、槙原寛己は「何でも面白くなさそうに言う」のが特徴だが、中継の邪魔にならないのがいい。古田敦也はMLBに対する勉強不足を露呈しているが、コメントは適切だ。
何より黒田博樹が重要だった。MLBを知り、NPBを知る存在であり、しかも引退したばかり。その言葉は重みがあって素晴らしかった。

J Sportsは専門性の高い放送をする。私はこちらの方を信頼しているが、ステージが上がり、試合が白熱してくる中で、試合に集中したいのに相変わらず選手の「こぼれ話」をだらだらと披歴する解説者が複数いたのは残念だった。アナの実況がそれで中断されたりしていた。
その解説者自身が試合に入り込まず、ルーティンワークで仕事をこなしているという感じがしたのだ。現地ではなくオフチューブだから仕方がないとは思うが、ちょっとがっかりだった。

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