何もわかっていないと思う。炎上期待とはいえ、あまりにも情けない。

報知新聞 例の「サンデーモーニング」

「武士の情けでね。悪くは言いたくないんだけど、原因は2つある。まずは、小久保監督。監督、コーチ経験のない監督に、いいコーチをつけてあげないと」

2つ目は打線だという。打線については見解は分かれるだろうが、小久保裕紀を「監督経験がない」と切って捨てるのだけは許せない気がする。

小久保は、長嶋茂雄、王貞治、原辰徳、山本浩二と言う歴代の「日本代表」とは全く立場が違う指導者だった。

これまでの日本代表監督は、大会前に召集されて選手をピックアップし、ミニキャンプを張って強化試合をして、本番に臨むだけだった。いわばお客さん。
確かに監督経験があったほうが良かっただろうが、ものすごい大役と言うわけでもない。「顔」でこなすことができる仕事だった。

小久保の場合、4年間侍ジャパンの采配を執ることがミッションだった。この間の選手の成長を見極めて、じっくりとチームを作る必要があった。

しかも、悩ましいことにNPBは、侍ジャパンに対して協力的ではなかった。選手に対するアプローチや調整も、すべて小久保の役割だったという。
特にMLB選手との交渉は、難渋を極めたという。普通であればコミッショナーやNPBのしかるべき担当名で招聘し、応諾するにしても断るにしても、NPB経由で物事が決まるはずだが、それさえも小久保が電話をかけて、個別に交渉をしたという。

借り物の選手に対する気づかいも半端なものではなかった。ケガをさせてはいけない、コンディションを悪化させてもいけない。しかも一人一人に見せ場を作ってやらなければならない。
大変だったと思う。

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4年間、常設チームの監督になったにもかかわらず、年俸は前任4監督と大差なかったとされる。現役時代は3億の年俸を得ていた小久保が、せいぜい1000万程度で重責を担わされたのだ。
コーチ陣も、同様の待遇。これでは大物コーチが引き受けるはずがない。

張本はあたかも小久保が経験不足で、軽量だったために勝てなかったように言っているが、この条件で侍ジャパン監督を引き受ける大物はいなかっただろう。
張本や野村など「何様度」の高い大物が間違って引き受けたとすれば、途中で投げだしたのではないだろうか。

NPBのマネジメントの欠如、セクショナリズム、経済的なしょぼさなど、様々な困難を乗り越えて小久保ジャパンは、全勝で一次、二次ラウンドを勝ち抜け、前回同様アメリカラウンドまで進んだのだ。
選手の信頼も厚かったという。

誰もやったことのない大役を見事にやりおおせたのだ。我々は小久保裕紀が見返りの少ない仕事にここまで尽くしてくれたことに「ありがとう」と言うべきだ。



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