中島宏之は、アメリカから帰ってきて、がっくり気落ちしたように見える。



中島は西武時代、強打の遊撃手だった。
守備は腰高で、やや確実性に欠け、うまいという評価はあまりなかったが、それでもゴールデングラブを3回受賞。

何より打撃で評価されていた。初球から積極的に打ちにいき、右に左にライナー性の打球を飛ばす打法は他の選手にはまねができなかった。

キャリアSTATS

H-Nakajima


早くからMLB挑戦を公言。2011年にはヤンキースとのポスティングシステムでの移籍がいったん決まったが、その拘束条件が厳しすぎたことから破談に。

2012年は角中勝也との激しい首位打者争いに惜敗したものの、海外FA権を行使してオークランド・アスレチックスに。2年総額650万ドル+3年目は球団の550万ドルオプションと言うものだった。

しかしスプリングトレーニングでは、17試合42打数7安打0本塁打1打点。左太ももの筋肉を裂傷し、DL入り。開幕をAAAサクラメントで迎えた。

怪我は癒えてAAAではほぼフル出場するが、MLBからは声がかからず。

翌2014年は、マイナー契約。キャンプ招待選手でもなかった。キャンプには終盤に呼ばれて6試合で6打数2安打するが、マイナー、しかもAAでスタート。一時期AAAに上がるも、またAAに降格。

貴重な2年間をマイナー暮らしで終えた。球団は当然のようにオプションを行使せずFAに。

NPBに復帰。争奪戦の挙句オリックスが3年総額10.5億円で獲得したが、2015年は全くの不振。2016年は代打が多く、故障がちだったが、8月以降は安打が順調に出る。

しかし往年の輝きには程遠いまま、契約最終年を迎えている。

故障などの不運はあったが、なぜオークランド・アスレチックスは中島を評価しなかったのか。
ビリー・ビーンGMは、なぜ中島をMLBでテストさえしなかったのか。
守備か?選球眼の悪さか?それともコミュニケーションか?
腹立ちまぎれに数人の選手を放出するような気性の激しい人間だから、中島の何らかの部分が逆鱗に触れた可能性はある。

また、中島はなぜNPBに復帰してから精彩を欠くようになったのか、このあたりにMLBとNPBの「格差」「溝」が潜んでいるように思える。


1966~68年西三雄、全登板成績【大洋で鯉料理に舌鼓】

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