DHというポジションは、今後も普及すると思われるが、DH専門打者はおそらく今後、衰退していくのではないかと思える。
2016年、MLBで100試合以上出場したDH選手。

DH-MLB-Hit


9人いる。さすがに重量級の成績を残している選手が多いが、アルバレスは三塁手、サンタナとビクター・マルチネスは捕手、一塁手、アビサル・ガルシア、カルロス・ベルトランは外野手、プホルズは一塁、三塁手だった。
いずれも守備が衰えるか、守備の評価が下がってDHで打席に立つことが多くなった。
キャリアでDHがメインと言えるのは、オルティーズ、エンカルナシオン、ケンドリス・モラエㇲくらいだ。

DHは、WARでは非常に不利だ。守備での評価点が皆無だからだ。昨年打点王のオルティーズでもWARは5.1。WARがトップが10前後だが、オルティーズはあれほど猛打を発揮しながら一度もトップに立ったことはない。

WARがMLBの価値基準として確固たるものになるとともに、進んでDHになる選手はいなくなったのではないか。

もともとDHの評価は低い。最も優れたDHに与えられる賞の名前にもなっているエドガー・マルチネスはいまだに殿堂入りしていない。めぼしいDHで殿堂入りしているのはポール・モリタ―だけだ。オルティーズの殿堂入りも微妙だろう。

そういえば、先日高知でマニー・ラミレスに「DHではなく守る気はないのか」と質問した記者がいた。マニーははっきりと守る気はないと言っていた。44歳になって守備に就くのは現実的ではないのだろう。

NPBで昨年100試合以上出たDH

DH-NPB-Hit


こちらも同様、何らかの事情で守ることができない強打者のポジションになっている。

DHができたころ、代打本塁打の記録を作っていた高井保弘への期待が集まったが、かれはDHで規定打席に達した3シーズンで、54本塁打しか打てなかった。代打とDHは別物なのだ。

以後もDH固定の選手は石嶺和彦など少数にとどまった。

MLB同様、守備が得意でない野手、守備が衰えたベテランの落ち着き場所になっている。

今後も戦術的にDHは活用されるだろうが、DH専任打者は、評価が低い上に、適任者があまりいないから、日米ともにそれほど出てこないのではないか。


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