「邪険なコメントをする」と、一部の方からおしかりを受けているが「山田哲人なんて2A級だ!」みたいな何の根拠もないコメントをもらうと、がくっとしてしまう。この気持ち、おわかりか?
この手のサイトと言うのは、いかに深く、細かく物事をみていくか。そしていかにユニークな切り口で意見を言えるか、が肝心なのだ。
そういう空気も読まずに「俺のまんじゅうの方がお前のよりでっかいぞ」みたいな、単純なコメントをされると「出てけ!」と言いたくなってしまうのだ。ま、荒っぽい口調は反省するけど。

例えば、昨日、今日でいろいろ提示した「日米の野手の違い」をもとに、山田哲人と筒香嘉智が、MLBに行けばどんな成績を残すか考えてみよう。

山田哲人は俊足で長打力もある。守備も菊池涼介には及ばないが、NPBの水準では優秀な二塁手だ。WBCでは使用球になじまなかったためにDHになったが、MLBの硬式球には適応するとして、どうなるか。

足は衰えることはない。俊足は十分な武器になるだろう。しかし180㎝76㎏というサイズは、中軸打者とは見なされないだろう。1番か2番が適任か。二塁手としてはまずまず合格点。
チームの先輩岩村明憲や井口資仁は、NPB時代は「強打の内野手」だったが、MLB移籍後は大振りを封印して走者を進める打撃でチームに居場所を得た。
しかしそれから10年、MLBでは「つなぐ選手」の居場所はますますなくなった。
どんな打順、どんなポジションでも山田は「自分のための打撃」をしなければ活路は開けない。

理想形は、アストロズのホセ・アルチューベ(168cm80kg)。安打製造機であり首位打者2度。20本塁打30盗塁。守備も名手だ。思い切った打撃で、活路を見出すことだ。
WBCでは1番に座り、第一打席で切り込み隊長としていい働きをした。同様の働きができれば、こうした成績も夢ではない。
長打が出なくてもレンジャーズのエルビス・アンドルスのように、しぶとい打者になる可能性はある。
そのためには日本人が大好きな「右打ち」をいっそやめるくらいの思い切りが必要だ。山田は本塁打の大半が左翼席に飛び込む。そういう振りぬく打撃を心掛ければ可能性はある。
ただし内野を守る限りは、二塁での交錯の危険性がついてまわる。コリジョンルールが本塁以外でも適用されるので多少安心だが。

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筒香嘉智はWBCのアメリカ戦、8回裏のパット・ニシェックから打った右直がすべてを物語っている。筒香があの構え、あの振りでバットを一閃すれば、NPBならライトスタンドに打球が突き刺さっていたものだ。
サイドスローのニシェックが投じたのは113km/hのチェンジアップ。微妙に沈む球に筒香は芯を外され、打ち取られた。

MLBの投手でまっすぐの4シームを投げる投手は今やほとんどいない。
えげつない角度から投げ込んできたり、いやらしく動いたりする。その球を真芯で打ち抜く技術が求められるのだ。そして多少芯を外れていても持って行けるだけのスイングスピードが必要だ。

筒香の投球をとらえる技術、スイングの速さ、そして打席での冷静沈着さは当代一流だ。松井秀喜に匹敵すると思われる。
もう少し経験を積み、ボールをとらえる技術が向上すれば、MLBでも通用する可能性はある。

ただ、左翼守備はNPBでも「人並」を超えない。守備はDHだろう。となると、ア・リーグ。それなりの成績を残すことが必要になる。
NPBの強打者はMLBに移籍すると本塁打が4割減になる。仮に40本打っていてもMLBなら25本前後。これでDH専門では多少心もとない。

筒香については、MLBは難しいのではないか。こう思う次第。

1976年東尾修、全登板成績【チームはどん底ながら、連続2ケタ勝利】

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