連続試合出場記録は、他にあまり類例のない特殊な記録だ。記録が伸びるにつれて、球団、チームと利害が一致しなくなる可能性が高いのだ。
同じ「連続」とつく記録でも「連続試合安打」とか「連続試合無失策」とか「連続試合無三振」などの記録は、数字が伸びても、球団やチームに迷惑をかけることはない。
打者が安打が出続けることも、失策しないことも、三振しないことも、チームにとっては喜ばしい話だ。そういう選手がいれば、得点する可能性も、勝つ可能性も高まるし、チームの士気も高まる。
そういう記録を続けている選手は、交代すべき理由はない。起用すべきだろう。

しかし「連続試合出場」「連続フルイニング試合出場」の2つは、必ずしもそうとは限らない。
この記録はたまたま始まる。レギュラー級で、ケガや故障が少なく、成績も優秀な選手は下げる理由がない。普通はそれでも休養のためや、若手選手を試すためなどで、シーズン中に数試合外すことは普通にあるが、たまたまそういう機会がなくて、連続試合出場が2年、3年と続くケースがあるのだ。

そうなると、選手も意識をし始める。球団や監督も配慮するようになる。そういう形で連続試合出場は伸びていく。

元気なうちは全く問題にならない。チーム側に休ませたいと思う気持ちはあっても、実績を残していて、本人が出たいと言えばそれを押して休ませることはできない。

しかし選手生活後半に差し掛かって、戦力的に厳しくなった時に、連続試合出場記録は、選手にも球団にも重い足かせになっていく。
連続試合出場の数字が伸びてくると、選手の側が記録の続行を強く望むようになるようだ。
金本がそうだったし、松井秀喜もMLBへ行っても続けたいとヤンキースのジョー・トーレ監督に願い出て、それを認められた。松井の場合は、外野守備での負傷で中断したが、そうならずに成績が下落しても連続出場にこだわっていたら、ニューヨークでひとしきりもめ事になったことだろう。

金本の場合、そういうアクシデントもなく記録が伸び続けたために、最後は厳しい状況になった。
球団は人気を考えれば金本を出したい、しかしチームとしては戦力、とりわけ守備面で大きく劣る金本を出し続けるのはハンデになる。

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なぜか連続試合出場は圧倒的にDHがないセ・リーグに多い。チームのデフェンス面でのマイナスは深刻だ。しかし1000試合を超えると、もう本人が「出ない」と言いださない限り、勝手に下げることができなくなる。球団も、監督も「大記録を途切れさせた」という汚名はこうむりたくない。

2000本安打や200勝と違って、連続試合出場は、毎日1つポジションを絶対に開けなければならない。負担が大きすぎる。

いつしか選手は「実力で選ばれている」のではなく「記録を途切れさせることができないから選ばれている」状態になるのだ。この線引きは難しいが、こうなると、様々なところから不協和音が出てくる。

金本の時もそうだったし、衣笠やカル・リプケンもそうだった。そして鳥谷もそうなのだ。
断言できるが、この記録の終焉は、ルー・ゲーリッグのようなケースを除いて必ず残念な結果で終わる。「惜しまれる」とともに「やっと終わったか」と思う人が一定数いるような結末を迎える。

カル・リプケン以降MLBではめぼしい連続試合出場記録が出なくなったが、球団、選手がその弊害を認識してあえて連続記録を途切れさせているのかもしれない。

NPB、MLBはこの記録を顕彰するのをやめてはどうかと思う。


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