「今日の佳き日に」、と一段高いところから、私の小学校の先生は生徒に話をした。
「運動会があります」とか「修学旅行であります」とか。
その先生は「おさおさ怠りなく」とか「みな、ゆりているのではないか」などと古風な言葉を使ったが「今日の佳き日に」という言葉は子供心に、誠に晴れがましく、良い言葉だと思った。

今日の佳き日に、

私は西武ドームに行く用事があり、東京にいる。時間が空いたのでネットカフェに入って、BSでヤンキース、ホワイトソックス戦を見ていた。
田中は相変わらず2シームが不安定だったが、チームが大量点を取ったこともあり、楽勝した。
田中は96球で7回を投げ、6被安打6奪三振2与四球自責点1だった。終始怖い顔だったが、ほっとしていることだろう。防御率はようやく6.00。

今日の佳き日に、

ヤンキースには知った顔が少ない。ブレット・ガードナーくらいか。肩が弱いといわれながらよがんばっている。ヤンキース時代はロビンソン・カノとともにやんちゃだったメルキー・カブレラはホワイトソックスの3番、ヤンキースの3番はカーディナルスで長く活躍したマット・ホリデーだ。スターリン・カストロという「ひとり二十世紀の歴史」みたいな選手が遊撃を守っている。A-RODはともかく、タシェアラがいないのを改めて実感。

今日の佳き日に、

BSは、シアトルに遠征したフロリダ・マーリンズの動向を伝えた。イチローにとっては、おそらく最後の古巣顔見世シリーズだ。17日は9番左翼で出場して3-0、18日は出番なし。そして現地19日の今日は9番右翼で先発して、1打席目三振、2打席目、イチローには坊やの時代からの顔なじみのフェリックス・ヘルナンデスからゴロで左前に抜ける安打、よかったよかったと思っていると、9回にはなんと右中間スタンドへ飛び込む本塁打。体を少し伸びあがらせて、高い球によく反応した。
セーフコ・フィールドではマリナーズとマーリンズ、二つのユニ姿のイチローのボブルヘッドが配られたという。
衰えたとはいえ、イチローは礼儀を知る男だ。古巣に対して、最高の挨拶をした。

今日の佳き日に、

イチローが本当にすごかったのはシアトル・マリナーズ時代だけだ。MVPも、新人王も、200安打も、3割も、ゴールドグラブも、シルバースラッガーも、MLB最多安打も、オールスターも、みんなマリナーズ時代に記録したものなのだ。
2012年夏にシアトルを離れて5年、43歳のイチローがファンに雄姿を見せてくれた。胸が熱くなるような良い知らせだった。

今日の佳き日に、

イチローは3033安打となった。本塁打は115本目。もう晩年と呼ぶべき年齢をとっくに過ぎている。引き際をわきまえるべきと思う私だが、それでもイチローがバットを振り、走っているのをみるのはしみじみとうれしい。
良いお天気である。イチローとともにあることを実感しただけで、今日は勝ったも同然である。


IMG_5680


先発投手の白星がついたのは何試合目?

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!