4月20日に、西武球団で画期的なプロジェクトが発表された。球団の方から連絡をいただいたので、西武ドームの記者会見に行った。
内容は、フルカウントの私の記事をお読みいただきたい。

少年野球人口減少&体力低下に危機感 西武など埼玉4球団が新プロジェクト


この話のポイントは、2つ。
まずNPBの一員である西武ライオンズが、「野球離れ」を明確に認識して、危機感を抱いていること。
プレスリリースには「少子化による減少比率以上に競技人口が減っている」と明記していた。
野球界に問題があって、野球離れが進んでいることをはっきり認識していたのだ。
会見が終わってから、ライオンズの井上純一事業部長を紹介いただき、立ち話をしたが、野球界のシュリンクの構造をはっきり把握しておられた。また、この問題が小手先で解決するとも思っておられなかった。

会見には炭谷銀仁朗、埼玉アストライアの川端友紀、武蔵ヒートベアーズの関口寛己、ソフトボール戸田中央総合病院メディクスの田中江理奈の4選手が出席した。武蔵の小林宏之監督も同席。

選手の認識がどこまでのものかはわからなかったが、炭谷は野球離れにショックを受けていたようだった。筒香嘉智もそうだが、NPBには危機感を抱いている選手も多い。

2つ目のポイントは、このプロジェクトが、これまでの「少年野球教室」をは別次元のものだということ。ユニフォームを着てグラブをもってやってくるような子供を相手にするのではなく、もっと年下の、野球と縁のない子供を相手にしている。
炭谷は「野球のルールよりも、投げる、打つ、と言う動作の面白さを伝えたい」と言っていた。プロジェクトにはいろいろなプログラムがあるが、野球ができる子どもをピックアップするのではなく、すそ野を広げる取り組みなのだ。

このプロジェクトは、西武ライオンズが取り仕切っている。
会見の後、西武ライオンズのオフィスで職員の方と1時間ほど話をさせていただいたが、西武は3年ほど前から危機感をもってこの取り組みを始めた。これをさらに広げるために、県内の他の球団に声をかけたのだ。問題意識は非常に高い。

メディアはテレビも含めてたくさん集まった。西武側の予想以上だったようだが、その取材はかなり残念だった。一般紙の記者で炭谷に「ご出身は?」と聞いた記者がいた。運動部ではなく社会部なのだろうが、かなり失礼だと思った。また写真の絵面ばかり気にする記者もいた。

その結果として上がった記事はこの2つのポイントをしっかり把握しているとはいいがたいものがほとんどだった。

県内4球団「PLAY-BALL!埼玉」発足 産経

西武が女子野球アストライア、BC武蔵などと連携日刊スポーツ

ライオンズなど県内4チーム連携 野球・ソフト普及へ取り組みを開始東京新聞

野球競技人口減少は触れているが、それがどういう背景を持つものかに触れたメディアはない。内容のポイントにも触れられていない。
私は確認の意味で「野球を知っている子供へのアプローチではないんですね」と質問をしたが、そういう点に触れたメディアもなかった。
また、会見でも西武はこうした取り組みを以前から続けていたと説明しているが、「炭谷選手に届いた手紙がきっかけ」と報じたメディアも多かった。西武としては、そういう形でも話が広がれば、との認識だろうが、精度が低い。面白ければいいということなのだろうか?

「野球離れ」に対する認識不足、そして当り障りのない記事を書くことに慣れてしまっているメディアの現状を再認識した思いだ。

西武ライオンズ職員の方にお願いをして、今後、西武はじめ埼玉4球団の普及活動をレポートさせていただくことになった。関西からわざわざ行く価値のある取材だと思っている。

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