トミー・ジョン手術さえすれば、投手はリセットできる。まるで独参湯のように見られているが、我々は実態をほとんど知らない。このことについて、ここまで詳細に書いた一般書は私は知らない。
購入して読んでいただくべき本なので、核心部分は触れないでおくが、私が知りたかったことがたくさん明らかになった。

まず、アメリカの少年野球事情が激変していること。従来、野球はシーズンスポーツとして期間限定で行われ、他のスポーツとシェアされていたが、近年は「パーフェクトゲーム」という野球少年の能力を詳細に発表するサイトができ、毎週末にトーナメント大会を開くため、ドラフトでMLBに行きたい子供、親は年中野球をしている。
そして、投手は「球速」が最大のアピールポイントになるため、10代で100マイルを投げるような子供が出てきていること。
そのために、若年層でのトミー・ジョン手術が激増していること。

トミー・ジョン手術自身も大きく進化した。成功率は高まっているが、個人ごとに状況は異なり、一筋縄ではいかない。

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そして何より印象的だったのは、あれほど多くの情報が発信され、巨額の費用をかけて研究しているにもかかわらず「肘はどういう状態になれば壊れるのか?」が、解明されていないということだ。
当サイトでもPAP=picher abuse point(投手酷使指数)という指標を何度か紹介している。
先発投手の100球を超えた球数を3乗した数値だ。これが10万を超えると肘は黄信号。20万を超えるといつ手術してもおかしくないと言われる。
単純な数値だが、MLBの投手は明らかにPAPによって管理されている。
しかし、この本によればPAPの基準である「100球超」には根拠はないのだ。
どれだけ投げたから、どんな間隔で投げたから、肘が壊れるのか?それはわからないのだ。
明らかなことは、「投手の肘は遅かれ早かれ壊れること」と「全力投球は肘に良くない」ということだけなのだ。
これも悩ましい話だ。

トミー・ジョン手術そのものも進化しているが、実はトミー・ジョン手術を超える画期的なUCL再建手術も生まれている。これによれば手術をした年のオフの間に復帰することさえ可能になる。

まことしやかなトレーニングや投球フォーム理論がある中で、肘を痛めることなく球速を上げるメソッドも完成されつつある。

こういうのを読むと、やはりアメリカは凄いと思ってしまう。



先発投手の白星がついたのは何試合目?

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