もう一つ、日本ハム、巨人戦を見て思ったのは、両チームの「選手の使い方」の差である。
この両チームは、「関連会社か?」と思うほど選手の異動が多い。

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この3連戦で見ても、相手のチームに在籍した経験がある選手はこんなにいる。

巨人 陽岱鋼、吉川光夫、石川慎吾、實松一成

日本ハム 大田泰示、矢野謙次、公文克彦、市川友也、村田透

これに加えて、菅野智之も、一時は日本ハムの選手になった可能性があった。

巨人の選手のうち、石川慎吾は、巨人に移籍した今年、キャリア最多の52試合に出て最多安打を記録している。巨人に来てから伸びた選手と言えよう。しかし實松は巨人に来て12シーズン目で208試合、日ハム時代は6年で298試合だった。

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これに対し、日本ハムの大田は、今季すでにキャリア通算9本塁打に迫る7本塁打。安打数もキャリアハイとなった。35歳で日ハムに来た矢野の起用数は3年で110試合にとどまっているが、公文はこれまでの1軍登板数に並ぶ15試合に登板、市川は巨人時代の一軍出場はわずか9試合だったが、日ハムでは4年で209試合。村田透はドラ1だったが、巨人時代は一軍登板はなし。そしてMLBをへて今年日ハムに入った村田は、NPB初登板を果たして7試合目で初勝利をあげたのだ。

どちらが選手を活かしているかは明らかだろう。

最近はトレードで巨人に行くことに難色を示す選手もいるという。
有名でもなく、実績もない選手は、石川のようにたまたま首脳陣の目に留まらない限り、ほとんど出世の目はないのだ。

先日、私は河原純一に話を聞いたが、彼は「プロに入ればみんな横一線と思っているかもしれないが、そうじゃない。ドラフト上位以外にはほとんどチャンスはない。育成枠にはほとんどチャンスは与えられない」と言った。彼は一般論としてそういったのだろうが、実際にはそれは巨人のことを指すのだろう。94年のドラ1逆指名で巨人に入団した彼には、そう映ったということなのだろう。

他球団にもその傾向は確かにあるが、巨人に比べればはるかに多くのチャンスが与えられる。

巨人は毎年、12球団でも多くの選手をドラフトで獲得する。育成枠を含めた選手数は12球団最多だ。

しかし、巨人では、使う選手は最初からほぼ決まっている。ドラフト上位でとった有名選手、高額年俸のFA移籍選手、外国人選手だ。
それ以外の選手は主力選手が故障したときにリザーブか、守備固め、代走などの補助戦力、トレードのお添えもの候補でしかない。
層が厚いから仕方がないと思うかもしれないが、そうではない。もともと起用する気がほとんどない選手をたくさん抱えているだけなのだ。

巨人に匹敵する多くの選手を抱えているソフトバンクは、似て非なるシステムだ。
二軍、三軍の競争はし烈だが、ここで鍛え上げられた選手が次々と主力になっている。
2009年、ドラフト1巡目の今宮健太は1年目、ウェスタンで打率.216ながらも6本塁打、24打点11盗塁とアピールして、翌年一軍に昇格。
2010年、ドラフト2巡目で入団した柳田悠岐は、1年目にウェスタンで3割を打ち、2年目の途中で一軍に定着。
最近では2013年ドラ4の上林誠知が二軍で首位打者をとるなど活躍して4年目にして一軍に定着した。
投手でも、育成上がりの千賀滉大や山田大樹などが、一軍で活躍している。

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ソフトバンクの層の厚さ、競争の激しさは、結果につながっているから「意味がある」が、巨人のそれは「意味がない」のだ。

選手の起用一つとっても、巨人と他のチーム、とりわけパ・リーグとは大きく異なる。
巨人のチャンスの与え方は「せこい」のだ。特にノンブランドの選手は少し使ってダメなら、チャンスは巡ってこない。彼らを信頼していないからだ。しかし、他球団は結果が出るまでしつこく使う。

今年になって大田泰示が水を得た魚のように活躍したのは、日本ハムが気前よく試合数を与えたから。たまたま淺間、谷口、岡と若手外野手が不振で、陽岱鋼が抜けたという幸運はあったにしても、日本ハムは「選手の活かし方」を知っていると言えよう。

昔からそういう例はあった。巨人では控えでロッテで活躍した山本功児などがそうだが、当時の巨人は「パ・リーグはレベルが低いから」とうそぶいていた。今はそれは通用しない。

巨人は、選手の育成法を見直すべきだ。清武英利GMがやろうとした草の根からの選手育成にかじを切るべきだ。
そうでなければ、ノンブランドの選手の中にはドラフトで指名されても、入団を拒否する選手が出てくるのではないか。


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