小宮山悟というのは、割とおっかない人で、いつだったか書類を出したときに「あ、ここ違う、これもダメ、あれもダメ」と瞬時にダメ出しを食らったことがあるが、ものを観る目はずば抜けている。

昨日のレンジャーズ、マーリンズ戦、日本では久々のイチロー、ダルビッシュの顔合わせが話題になった。
ダルはイチローを苦手にしているように思う。
この2人が初めて対戦したのは、2012年4月9日のレンジャーズ、マリナーズ戦、ダルのMLB初登板。
3番右翼で先発した38歳のイチローは、1回表、25歳のダルビッシュと初対戦。2-2から三塁に内野安打を打った。
続く打席では2-0から右翼深くへ二塁打。さらに6回には中前に抜ける安打。
ダルは5.2回を投げて自責点5、白星こそついたが、イチローにやられた、という感じだった。

以後、ダルビッシュとイチローの対戦成績はこの日の前まで22打数7安打の.319、昨日の試合ではダルは1回に2本塁打を打たれ、2回に6番右翼のイチローと対戦。これは遊ゴロに打ち取るが(イチローの反応はよくなかった)、4回の二打席目にグランドルールダブルを打たれた。
通算では24打数8安打.333になった。

ダルはこの日自責点10、ERAは3.44から4.01に急落した。

BSのインタビューでダルは「調子は悪くなかった」と言っていたが、とてもそうは見えなかった。

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解説の小宮山悟は「これは仕方がない、トレード話が噴出して、ダルビッシュは野球に集中できなかったのだろう」と言った。これはすとん、と腑に落ちた。

今、MLBは7/31のトレード期限を目前にして、いわゆるフラッグシップディールの真っ最中だ。
5年契約の最終年で、所属するレンジャーズが西地区でトップのアストロズから18ゲーム離されているダルビッシュは「セールの目玉商品」と目されているのだ。

5シーズンにわたって投げてきたレンジャーズでの最後の登板になるかもしれず、来月はどこで投げているのかもわからないダルビッシュが、心ここにあらずなのは仕方がない。

ダルビッシュは、イチローとの対戦について聞かれても「それどころではなかった」と言ったが、そういうことなのか、と思った。正直なコメントだ。

MLBの選手の移籍は、ビジネスライクで、ドライなものだと思われがちだが、個々の選手にとってはそんなに簡単なものではないのかもしれない。

ましてや二十歳そこそこで女の子をはらまして、結婚して離婚して再婚するという「河内のヤンキー」まるだしのメンタルを心に持ったダルビッシュは、今も思い切り人間臭い一面を持っているのだろう。

小宮山解説は、巨大な年俸で動くメジャーリーガーの境遇、心境をぐっとリアルに引き寄せてくれた。

どこへ行くにしても、がんばれダルビッシュ!



1968年のセ・リーグ投手陣 リリーフ詳細版


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