野球解説者と言えば、少し前までプロ野球を引退したスター選手の花形の職業だったが、最近はそれほどでもない。お金がいい地上波全国の放送がなくなった。ローカルやBS、CSはギャラが安い。
それでも毎年のように新しい野球解説者がデビューする。
いい人もいるが、そうでない人もいる。
最近のぴか一は新井宏昌だ。何回か取り上げたが、確かな技術論に裏付けられた具体的な解説が素晴らしかった。

アレックス・ロドリゲスの左手の使い方が大好きです。左手で振りぬき、強い右手を使いすぎません。右手を早く離しているでしょう。

長く各球団でコーチを務めていて、60歳を過ぎてからの解説者デビューだったが、各球団から引く手あまただったのが良くわかる。

宮本慎也も今の解説ではトップクラスだろう。

昨年の日ハム、広島の日本シリーズ、日ハム宮西と対戦した下水流に対して

下水流は力まずに、ライトライナーを打つつもりで振るといいですね。

具体的でわかりやすい。プロの高みのようなものを感じる。

小久保裕紀も、WBCの監督を辞してから良く解説で出るようになった。
WBCで共に戦った選手には思い入れが強いようで。

オーダーを決めるときには、まず中田翔を4番に置くことから考えましたねえ。よく話もしました。
だから彼の打順を下げるときには悩みました。


こういう具体性が耳に快い。外側からの評論は私達でもできるが、プロの解説者から聞きたいのはこういうインサイドストーリーだ。

ちょっと惜しいのが和田一浩。いかにも好人物らしくて優しい口調なのだが、不振が続く山田哲人に対して

私も.230台の打率で悩んだことがありました。MVPをとった翌年です。2年連続トリプル3のあとの今年の山田も同じじゃないでしょうか。こういうときは、何をやってもダメなんですよねー。

何故ダメなのか。フィジカルではなさそうだが、どういうメンタルなのか、そこまで踏み込んで説明してほしい。

持論だが、解説者はべたべたでない、軽めの関西弁が良いのではないかと思う、昔の板東英二や金村義明、岩本勉などは、口調そのものが面白すぎて、話が上滑りする。おもろいおっさんが先に立って、解説が耳に入ってこない。
新井宏昌、宮本慎也、小久保裕紀、それに古田敦也なども軽くて丁寧な関西訛りだ。

ただ、関西訛りなのに暗い、という解説者がいる。今中慎二だ。この人が不振の投手の解説をすると実に重い。

制球もダメだし、球威も落ちてきた、スライダーも曲がらない、フォークも落ちない。連鎖反応みたいに続くとどうしようもないんですねえ。それでも投げないといけない。

この投手は明日にでも首を吊るんじゃないかという気がしてしまう。落合博満の色が少しついているようにも思う。

しかし、昔の解説者、金田正一、青田昇、千葉茂、野村克也なんかと比べると、今の解説者の多くはキャラクターではなく、知識や技術で語ろうとしている。そういう点は好感が持てる。

またそういう本を書きたくなった。

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