昨日は、メットライフドーム(西武ドーム)で、試合前にトークショーをした。別に歌って踊ってお芝居をしたわけではなく、「野球離れ」についての話をさせていただいた。
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試合前だったので、足を止めて聞いてくださるお客さんはそれほど多くはなかったが「野球離れ」への危機感を球団公認の場で話すことができたのは、驚きでもあったし、大きな収穫だった。また、私の考えを書いたタブロイド判の刷り物も配られた。
(うそではないという証拠にちっちゃな写真を紹介する)

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この日のメットライフドームも盆明けの平日にもかかわらず25,948人もの観客動員があった。この3連戦、球場に通ったがずっと大入りの盛況だった。甲子園もすさまじい観客だ。
こういう光景を目の当たりにすると、私自身も「野球が衰退しつつあるなんて嘘だろ?」と思ってしまう。

しかし多くのデータが「若い世代が野球を知らない、しない」ようになっている。小学校レベルでは壊滅的な状態だ。

こういう子供たちが、大人になるとき、野球が今と同じ隆盛を維持することはできない。甲子園やプロ野球も、今の観客動員は不可能になるし、経済規模も維持できない。

このことに多くの関係者が気付き、動き始めている。
この4日間で、私はNPBの関係者やリトルリーグなど少年野球の関係者にたくさんお引き合わせいただいたが、ほぼ全員が「野球離れ」に危機感を抱いていた。多くの人が拙著を読んでくださっていたのは望外の喜びだったが、私が書いたような事態が実際に進行していることを確認することにもなり、ショッキングでもあった。

西武だけでなく、DeNAも幼児に対する野球体験教室を始めているし、NPBもベースボール型授業を普及しようとしている。
メーカーも結束し「球活」という野球普及を目的とする一般社団を立ち上げている。
私はこうした取り組みをすべて取材し、逐一情報発信していくつもりだ。

何度も申し上げているが「野球は今まで一人勝ちし過ぎたのだから、ちょっと衰えるくらいでちょうどいい」という意見がある。また「野球関係者以外には、どうでもいい話だ」という意見もある。
しかし、野球は1世紀半にわたって日本人の生活文化に深くかかわってきた。ここまで日本人に大きな影響を与えたスポーツは他にない。
桑田真澄さんが言うように、今後の野球は「最大化」ではなく「最適化」を目指すべきだが、そのためにはファンを含めたステークホルダーが真剣に野球について考え「どう変えていくのか」を決めていく必要がある。

そのための議論が今、始まろうとしている。野球経験がある人もない人も、内部の人も外部の人も「野球が好き」な人が集まって、「野球の未来」を考えるときが来ている。

当サイトの読者もその一人であって、今後も私は当サイトや他のメディアで情報発信し、思索を深めていく。



2004年岩瀬仁紀、全登板成績


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