高校野球は、まだ「故障を押しての試合出場」を礼賛しているのか!
に対して、
「中学球児の父さん」から、激烈なコメントをいただいた。ありがとうございました。コメント欄をそのまま転載する。



負傷している選手の強硬出場に、したり顔でコメントしているあなた方に質問したい。君たちは人生において彼らほど頑張って何かを成し遂げたことはあるのか?
そしてその経験がその後の人生にプラスに働く可能性まで否定するだけの根拠を示せるレベルの有識者なのか?
幼い子供のころから甲子園目指して夏の暑い日も寒風の真冬も、夜が明ける前の早朝も、深夜の仲間たちとの励まし合いも、すべてを高校最後の夏のために生きてきた野球少年の人生に一方的な見解をコメントできるだけの経験はあるのか?
我が家にも甲子園目指して毎日、野球部に行って練習している息子がいる。
そして、育英の近所に住んでいるから、野球部の選手たちとも少なからず交流がある。
息子は、飯島くんの奮闘に感動をもらい、触発されて更に野球熱を上げて頑張って何かを成し遂げようとしている。
息子いわく、否定している連中は自分の頭の中の薄っぺらな正義感で有識者づらしたおバカさんで野球にかけた青春とその後の人生の飛躍を素直に激励できない連中だから、かわいそうな人たち、との事。
捕捉すると、育英の指導者は人間教育に理解が深く、出身者はみな礼節をわきまえた好青年ばかりです。


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重要な話だと思うので、読者各位に共有をはかりたく、ここで回答させていただく。

がんばって何かを成し遂げることは、誰も否定はしていません。
一般論として「怪我をしている」「完治していない」未成年の選手を、試合に出場させることが正しいのか、正しくないのかを議論しています。
幸いにも怪我を悪化させることなく、試合に出たことが、その後の人生にプラスに働く人もいるでしょうが、試合に強行出場して、その後の競技人生にマイナスの影響を与える可能性もある。
そうしたリスキーな状況で、指導者、大人が取るべき判断はどうあるべきか、ということを問いかけています。

あなたは有識者の言うことなら聞くと受け止められるコメントをしておられますが、この判断は有識者だ一般人だではなく、普通の大人、指導者や男の子の親が、負傷が癒えていない子供の競技出場をどうとらえるかというごく一般的な判断の問題です。

私は高校野球の取材をたくさんしましたが、怪我や故障を押して練習、試合をした挙句、高校や大学の途中で野球を断念した子供は本当にたくさんいます。
彼らの多くは甲子園に出ていないし、名前も知られることなく消えていきました。育英でも間違いなくそういう子がいます。一学年で20人ほどいる学校なら5人くらいはそうではないでしょうか。
日本人の常として、そういう形で野球を断念した人は、そのことを公言しません。「あの監督のせいでこうなった」とは言いません。しかし、少し踏み込んで話をすれば「あのとき試合に出なければ」「無理に練習しなければ」という声は、たくさん聞くことができます。

この春に伺った私学の強豪校でもOBの方が「素質のある子はもっといたが、半分くらいは怪我でやめていった。練習のさせ過ぎもあるし、無理に試合に出して野球ができなくなった子もいた」と言いました。
今の高校野球報道は、そういうリスクを冒して失敗した子供のことは取り上げません。

指導者は子どもを強行出場させて悪い結果になったとしても、責任を取ることはありません。監督に言われて出場したとしても、結果責任はすべてその子が負うことになります。

指導者の中には「あいつは運がなかった」「体が弱かった」と言う人までいます。

こうした「青春の汗」の裏にある負の部分は、今の高校野球報道では一切ふれられることはありません。


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中学生は純真ですから「否定している連中は自分の頭の中の薄っぺらな正義感で有識者づらしたおバカさんで野球にかけた青春とその後の人生の飛躍を素直に激励できない連中だから、かわいそうな人たち」と言うかもしれませんが、私は彼らから「かわいそうな人」と見られても全然かまいません。野球の未来を考えれば、大事なことだと思うので、発信しています。

大人のあなたまでが中学生の意見に全面同意するのはどうかと思いますが。

あなたご自身のお子さんが、高校の硬式野球部に入って骨折などの故障をして、将来に禍根が残る危険性があるような状況になったときに、あなたはどのような助言をするのでしょうか?

「怪我で野球ができなくなってもいい、試合に出ろ!骨は拾ってやる」と言いますか?

「ずっと野球をしたいと思うなら、我慢しろ。完治するまで試合に出るな」と言いますか?

そしてあなたの奥さんは、我が子に対してどんな判断をするでしょう?


2004年岩瀬仁紀、全登板成績


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