甲子園のベンチ入りは18人だ。地方大会は20人のところが多いので、泣く泣く2人を外すことになる。
しかし昔と違い、18人は少ないと思えることが多い。用兵について考えよう。

用兵での変化はさらに顕著だ。

・投手はもはや2人ではなく3人

地方大会から甲子園まで、1人で投げぬくチームはほぼなくなったが、エースと二番手の2人というチームも減っている。先発投手2人に加えて、救援投手を用意するチームが増えた。
それだけ指導者が投手の消耗を考えているということだ。
ただし今年の広陵がそうだが、タイプが似通っている投手が2枚というチームも多い。投手のタイプを選別する余地があるチームはまだないようだ。

・2番手投手の実力がアップしている

仙台育英戦の大阪桐蔭がそうだが、重要な戦いであってもエースを温存し、2番手を投げさせるケースが増えている。甲子園の初戦で背番号が二けたの投手が先発するケースがかなりあった。
それは2番手にエースとそん色ない投手を備えたチームが多いということでもある。
大阪桐蔭のエース遠山と2番手柿木もそうだ。
有力校に行くと、ブルペンで2人の投手が同時に投球練習をするのをよく見る。2年前、履正社では寺島成輝と山口裕次郎の両左腕が投球練習をしていた。岡田監督は「寺島はプロに行く」と断言したが、試合では山口も投げた。今の指導者はエース級がいても「2番手」を必ず作るようになっている。

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・守備を掛け持ちする選手が多い

代表格が大阪桐蔭の根尾だ。外野、遊撃、投手を掛け持ちし、それぞれのポジションで高いパフォーマンスを発揮した。背番号「6」などの背番号の選手がマウンドに上がったり、背番号「1」が一塁や外野を守るケースも増えている。
先発投手を下げるのではなく、他のポジションで温存したいと思うチームが増えている。
そういう作戦面の話だけでなく、選手に複数のポジションを経験させる指導者が増えている。
これは、過酷な消耗戦を戦うための対応策だが、同時に「野球をより深く理解させる」という教育的意図もある。なかなか良いことだと思う。

・控えとレギュラーの差が縮まり、控えの戦力化が進む

昔はレギュラーの9人で戦い抜くチームが多かった。控えは敗色濃厚になったときに「思い出作り」で打席に立つことが多かったが、今は、試合の途中で守備を交代したり、代打を出したりするケースが増えた。大柄な打者が代打に立ち、出塁すると俊敏そうな代走が出る、というプロみたいなチームも見かける。強豪校では地方大会、甲子園を18人全員で戦うという考えが定着しつつある。
それを考えても、ベンチ入り人数は20人、あるいはそれ以上にすべきだろう。

こういう変化は投手の酷使を軽減するうえで、さらにはより多くの選手に試合出場の機会を与えるうえで、良いことだとは思う。

しかしこうした傾向がはっきりすれば、実力のある選手をたくさん集めることのできる強豪私学と、普通の公立との格差はさらに広がることも間違いない。

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