一連の不正投球問題で、図らずも露見したのは審判部の意外なまでのマネジメント能力の低さだ。
私はプロの審判や元審判と話したことがある。口下手で地味で、裏方という印象だった。

この点、アマの審判とは印象がかなり異なる。アマの審判、特に高校野球の審判は球児を指導するスタンスがはっきりしている。マウンドに選手が集まると、試合進行を促すために歩み寄る。夏場の地方大会では、選手に「水を飲みなさい」と促したりもする。
権威はアマの方が高いように思われる。

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プロの審判が地味で控えめに見えるのは、NPBの審判の多くが元プロ選手だからだと言われた。それは少し前までのことではある。

現在の審判員のプロ野球での実績 ※は元プロ野球選手

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プロ野球選手上りの審判の最年少は、関東の津川が44歳。それより若い審判にプロ上りはいない。

しかしながら、ほとんどの審判は元野球選手であり、もともとはプロ野球選手を頂点とするヒエラルキーに組み込まれていた。

そのために元プロ選手の監督、コーチや選手に頭が上がらないという図式は続いていると思われる。

元プロの審判は、プロ野球での実績が乏しい。過去にはプロ野球最年長選手だった岡田源三郎を皮切りに、横沢三郎、中根之、島秀之助、田川豊のようにプロでそれなりの実績を残した元選手の審判もいたが、今の審判はほとんど実績がない。

8月17日の楽天戦で、菊池の不正投球を取った柳田昌夫はヤクルト、近鉄で外野手として327試合に出場し、1990年にはゴールドグラブを取っている。このなかでは抜群の実績だが、それでも一軍の主力選手と比べれば見劣りする。

プロの審判が、選手や監督、コーチなどに気後れしているように見えるのは、選手上りが少なくなっているにもかかわらず、同じような力関係が続いているためだろう。

野球の審判は「マスターオブゲーム」だ。ただのスタッフではない。

野球規則8.01
(a)リーグ会長は、1名以上の審判員を指名して、各リーグの選手権試合を主宰させる。
  審判員は、本公認野球規則に基づいて、試合を主宰するとともに、試合中、競技場における規律と秩序とを維持する責にも任ずる。


野球は審判の権限が強いことで、微妙なプレーが多発しても秩序が保たれる。すべてのジャッジが審判に委ねられることで、ゲームが回っていく。
選手や監督、コーチは、認識を改めるべきだが、同時に審判も自らの権威を高め、信頼感を得るように言動に注意しなければならない。

菊池雄星の不正投球をめぐる審判部の対応は、誠にお粗末だった。無責任で、自分が野球、試合をつかさどっているという自覚があるとは思えなかった。

審判部が、球団や選手に謝罪をするのは、痛恨の一事だったと認識すべきだ。

「俺たちがプレーボールと言わない限り、試合は始まらないのだ」という気概をもって、審判部の権威を立て直してほしい。

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