ジョブチューン★野球VSサッカー 国民的スポーツNo.1はどっち!?SP★で興味深かったのは、サッカーと野球の先輩後輩の関係だった。

サッカーでも平生は、先輩後輩の序列、けじめはきっちりしている。先輩にため口を聞くことはない。しかし試合になれば、「ゾノ!パス!」のように、敬語をとっぱらったやり取りが許される。

一方で野球は、試合以外はもとより、試合中でも、「村田さん、バックホーム」みたいに、先輩選手には敬語をつけなければならない。それを怠ると後で叱られる。
実際にプロの試合でも、後輩選手がベンチから「〇〇さん、いきましょう」「いい球ですよ」みたいに敬称、丁寧語で選手に声援を送るのは普通に見られる。


野球側は、これをいいことのように言っていたが、サッカー側は首をかしげていた。

若いプロ野球解説者が現役のベテラン選手に「さん付け」するのもよくあることだ。

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一般社会でも日本では先輩、後輩の区別は厳格に守られる。会社でも同学年と年上では口の利き方が変わる。力士や芸能界は、入門年次がそれにあたるようだ、

長幼の序を重んじるのは儒教の考えだ。これによって日本の社会秩序は守られてきたと言えるが、同時にこれが、世の中の変化、進歩の妨げになることもままある。

野球の長幼の序は強烈で、寮生活をする際には、後輩は先輩が起きているうちは、横になることができない。常に正座か蹲踞の姿勢を取らなければならないとか、下級生は女子を見てはいけないとか、理不尽なルールがまかり通っていた。これを許した指導者は人権意識が欠如していると思う。

野球選手上りは、時間に絶対遅れないとか、人の言うことを聞き返さないとか、先輩に絶対服従だとかいうことが、美点のように言われるが、おそらくは、美点と同じくらいマイナス点も多いだろう。

長幼の序がしっかり保たれていれば、もめ事は起こらないはずだが、そうではない。上下関係が厳しい社会ほどいじめや暴力沙汰が起きやすい。
そうした社会には「長幼の序」に加えて「実力」という別のランキングが存在することが多い。
絶対服従するはずの後輩が、自分を飛び越して試合に出る。レギュラーになる。そういう逆転現象が起きると先輩、後輩の関係もねじれがちだ。
PL学園での死亡事故の際も、後輩を死に至らしめたのは、補欠の上級生だったとされる。自らの境遇を受け入れられないことから起こる憤懣が、こうした行動につながる。

人は大人になる過程で、世の中の不平等さ、もってうまれた能力の違いを学び、「人は人、自分は自分」という認識を抱くようになる。自我、そして本当の自己肯定感とはそういうものだが、先輩後輩の序列が厳しすぎるとそれがうまくいかない。
「後輩のくせになぜあいつがレギュラーなんだ」という思いが、人の気持ちを拘泥させ。成長を妨げる。

野球の厳しい上下関係は、今の世の中では悪い側面の方が大きいと思う。指導者は年長者には絶対服従するから都合がいいが、人の成長を本当に促すためには、長幼の序、上下関係をとっぱらうことが必要になるだろう。

すでに一部の高校ではそうなっているようだが、こういう学校が増えれば、硬直した高校野球はずいぶん風通しが良くなると思う。



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