大谷翔平を引き留めるべきではないかと思うのは、年齢の問題ではない。MLB挑戦は「1年目」が重要だからだ。
年齢的には23歳は適齢かもしれない。1年500万ドルも、その後、大型契約が見込めるのなら大きな問題ではないかもしれない。
問題はMLBの挑戦は「1年目が非常に重要」ということだ。

MLBに挑戦した日本人先発投手の1年目の成績と通算成績

MLB挑戦


最初の挑戦者、野茂英雄は13勝を挙げ、最終的には123勝を数えた。

伊良部秀樹は、ニューヨーク市長が出迎えるなど鳴り物入りの入団だったが、5勝どまり。態度の悪さも相まって、評価は急変し、十分な活躍ができなかった。

対照的だったのは松坂大輔と井川慶だ。ともにリーグを代表するエースとして、アの名門、レッドソックスとヤンキースに入ったが、松坂が結果を出した一方で、井川は失敗が続き、2年目以降はほとんどチャンスも与えられなかった。

今や、NPBから巨額のポスティングフィーや契約金で移籍する先発投手は「活躍して当然」であり、期待感は極めて高い。
その分、結果が出せなかったときの「手のひら返し」も激しいのだ。

第一歩目でのつまづきから挽回するのは極めて難しい。ものになったのは黒田博樹くらいではないか。

今季の大谷は、投手としてのポテンシャルはともかく、実戦が少なかったために試合勘が戻っていない感が強い。打者との駆け引きも難しそうだった。

大谷はあと1~2試合は投げるだろうが、シーズン終了、即移籍表明、ポスティングとなれば、秋季キャンプにも参加が難しいだろう。
次の実戦の機会は、いきなりMLBのスプリングトレーニングになる。

日本人打者との対戦経験も不十分なうちに、外国人打者と対戦することになる。
ここでうまくいかなければ、評価はがた落ちする。
開幕までに評判が落ちれば、ペナントレースが始まっても厳しい視線が注がれる。

打者としての大谷は、通用するかどうか未知数だ。投手がダメでも打者で、となるかどうかは全く分からない。
NPBで先発投手として活躍した投手は、MLBでも通用するという一定の見方がある中で、大谷は何を置いても先発で早々に結果を出す必要があるのだ。

ものごとは「はじめが肝心」といわれるが、MLBはとりわけそうなのだ。それを考えても、私はこのまま大谷がMLBに挑戦するのはリスクが大きいと思う。


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夢の裏バットマンレース(後半戦)


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