清宮幸太郎の記者会見そのものは、既知感たっぷりではあった。昔から何年に一度という有望選手は、こんな感じでプロ志望会見や入団会見をしてプロに入ったものだ。しかし清宮という選手はこれまでの選手とはずいぶん違うところがある。
これまでの目玉選手は、「投手」か、さもなくば「野球選手」として優れているケースがほとんどだった。
近いところでは大谷翔平、藤浪晋太郎、少し前なら田中将大、ダルビッシュ有といった素材はまず「投手」として優れている。野球において、投手は「投げる」以外のことは期待されていないから、それでいいのだ。

これに対し野手は、打撃、守備、走塁など多様な資質を備えていることが求められる。

野手で入団時にいきなり注目される逸材は少ないが、中田翔は、長打力に加え、剛球投手でもあったから肩も抜群だった。中田はプロ入り後、左翼を守って二けたの捕殺を記録したことがある。

松井秀喜は圧倒的な打棒だったが、彼は外野手としても標準以上の守備力があった。

ぐっと古くなるが、清原和博も甲子園で投手として140㎞/hを出したことがある。また三塁手での起用も考えられる素材だった。

もっと古くなるが、法政三羽ガラスの田淵幸一は東京六大学新記録の22本塁打を打ったが、俊足で強肩の捕手でもあった。同期の山本浩司は、何より俊足と強肩が高く評価された。

さらにさらに古くなるが、王貞治も甲子園の優勝投手だった。長嶋茂雄は打撃だけでなく、守備範囲が抜群に広い内野手であり、俊足でもあった。

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つまり、これまで野手として注目された選手は、一つの能力が優れているだけではなく、野球選手としての総合的な資質に恵まれているケースがほとんどだった。
そうした一級の野球選手としての資質の上に、足、長打力やミート力など、その選手ならではの能力が上乗せされてるという印象だった。

しかし清宮は、抜群の長打力は喧伝されているが、他の能力はほとんど聞こえてこない。投手が務まるような肩があるとか、俊足だとか、抜群のミットさばきだとか、そういう話は聞かない。ただただよくホームランを打つだけだ。清宮は本当に、野球選手として優れているのだろうか?

18歳にして、打つだけで守りも走塁も得意ではない選手が果たして有望と言えるのだろうか?
右投げ左打ちだから清宮は一塁、外野以外の他のポジションも守れるはずだが、それはないのだろうか?
あくまでイメージではあるが、親父さんが作ってくれた個人用の打撃練習場でひたすら打つことだけに特化した清宮幸太郎は、バッティングセンターでだけものすごい打撃を見せるおじさん的な選手ではないのか?

特に現代の野球界では、「打つだけ」という単機能の選手が出世するのは珍しい。
昔であっても張本勲は守備はからきしだめだったが、盗塁王をとってもいいような足があった。門田博光は晩年は全く守れなくなったが、若いころは鉄砲型で知られた右翼手だった。
中村紀洋は荒っぽい打者ではあったが、三塁手としては抜群だった。

清宮にはそういう部分があるのか?「打つ」以外の能力。野球選手としてのセンスを感じさせる「他のもの」が何かあるのか?

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清宮は、いきなりアンドリュー・ジョーンズやウラディミール・バレンティンみたいな役どころになるわけにはいかない。
攻走守でどんなポテンシャルがあるのか?真価はキャンプでわかることになろう。

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