何度も説明してきたが、今の「野球離れ」の最も深刻な部分は「裾野の減退」だ。そこを何とかしないと将来は非常に厳しくなる。
子どもが野球を知らない、野球に親和性がない、野球を好きにならない。だから「野球遊び」を全くしなくなった。
「野球遊び」を知らない子どもが、競技としての「野球」に進む可能性は、知っている子に比べればはるかに小さくなるはずだ。
さらに「野球遊び」を知らない子どもが野球場に行ったり、野球関連の商品を買うとは思えない。

つまり、今、重要なのは「競技人口」の減少を食い止めることではなく、あらゆる「野球ニーズ」の供給源になる「野球ファン」を増やすことなのだ。
今、明らかに減っているのはそういうライトな「野球好き」なのだ。

NPBは今季、2500万人を超す観客動員を達成しそうだ。甲子園も夏は80万人を動員した。
それだけを見れば「野球好き」は減っていないように思えるかもしれないが、それは全体から見れば少数の「野球狂」が、何度も野球場に足を運ぶからだ。
今は、野球の関心のない人は、全く関心がない。知らない。そういう人が大部分になっている。だからテレビで野球中継は視聴率が全く上がらないのだ。

減ったのは「球場に行くまでもないが、野球は好き」というライト層なのだ。
そして、そのライト層の野球経験は、ほとんどが「野球遊び」なのだ。だから、「野球遊び」を復活させないといけない。

そういう理屈を把握しているNPB球団が増えている。各球団は「キッズアカデミー」という形で少年野球チームをもっているが、それとは別に幼稚園や低学年の子供と親に「野球遊び」を教え始めている。

IMG_1466


NPB各球団はマーケティングの考え方が浸透しているから、そういう形で動くことができる。至極真っ当だ。

問題はアマ球界なのだ。今朝紹介した軟式野球もそうだが、野球界は「野球離れ」への危機は持っているが、それは「競技人口の減少」だと思っている。だから「競技人口を増やす」ことばかり考えている。

それ以前の「野球ファン」「野球好き」を増やすアプローチは、一部で始まってはいるものの、高野連、学生野球連盟などは動いていない。

そもそも「アマ野球」は野球遊びや草野球を、自分たちとは関係のないどうでもいいもの、と認識していた。
空き地で三角ベースをしている子供には「ちゃんと野球を教えてやらねば」と思うことこそあれ、これが自分たちにとって大事なものとは思ってこなかった。

だから軟球を硬球に近づけ、野球遊びをしている子供が軟球へと移行する敷居を高くするような逆行を行うのだ。

「野球は遊びではない」というような考え方の人が「野球遊び」を認めるのは難しいかもしれないが、その部分のパラダイムシフトがないと野球の将来はなくなる。

プロよりもはるかに地域や子供に密着しているアマチュア野球が、そういう認識を持たないと、野球は滅びる。

IMG_6997



D.ヒルトン、全本塁打一覧|本塁打大全

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!