掛布雅之が、自分が退任させられた事情を語っている。球団から「若返りのため」と言われたが「僕は二軍監督に就任したとき60歳ですよ。若返りを図るなら、そもそもそういう人に依頼しないでしょう」もっともだ。
金本監督との軋轢もうわさされたが、そもそも掛布と金本のコミュニケーションはあまりなかったという。
金本知憲という監督は「身内」と「外部」を峻別する人のようだ。東北福祉大の学閥や阪神の同僚などを中心に、気心の知れた人で周囲を固める。
それで足りない人材を、追加で集めはするが、心は許さない。気に入らなければクビにするが、直接はいわず、人を介して婉曲にそれをする。
掛布の場合も、三顧の礼で迎えたはいいが、所詮は「よそ者」であり、育成法の生ぬるさが気に入らなくて切ったわけだ。それまでに腹を割って話をするとか、ガンガン議論するとか、そういうコミュニケーションはなかったのだろう。
だから掛布は釈然としない。「江越大賀を一人前に育てたかった」と掛布はいったが、彼は彼なりにチーム育成のめどをつけつつあったのだ。
私は何人か経営者と付き合ってきたが、中小企業の経営者にはこういうタイプが多い。太っ腹で寛大そうにふるまっているが、実は小心で、なかなか人を信じない。そして直言や諫言に素直に耳を貸すことはない。部下への叱責は容赦ない。減点主義で責め立てる。
金本知憲という人を知っているわけではないが、采配や選手の起用を見ていると、そういうタイプではないかと思えることが多々ある。
福留、鳥谷などのベテランを重用するのもそう見えるし、若手を抜擢しては降格することを繰り返すのもそうだ。藤浪晋太郎が不振に陥ったのも、金本のそういうカラーが影響しているのではないか。
金本監督になってから、阪神のベンチは暗い。負け始めると、金本の能面のような無表情がテレビに良く抜かれる。あれは、横に並んでいるコーチや選手はたまったものではないだろう。
「監督が怒ったはる」と思えば、身もすくむし、気合もなえてくる。マイナス思考の不機嫌な空気が、ずっと漂っていたのではないか。
巨人の高橋由伸は金本とはタイプが違う。選手を恫喝したり、締め上げたりすることはないだろうが、彼もまた不機嫌な顔がしばしばテレビでとらえられた。彼の場合、チームの苦悩を一人で背負ってうずくまっているような感じだ。大企業の親会社から落下傘で着任した子会社社長みたいな雰囲気がある。
特に短期決戦になれば「乗り」が大事になってくる。今、まだシーズンを終了していない4つのチームは、カラーは全く違うが、ベンチの機嫌がよさげに見える。
少々の失敗で眉をしかめたりせず、ファインプレーはほめあげて、チームをのせていく。
戦力や作戦の問題はあるが、土壇場でもてる力を活かすのは「人を信じる」ことで生じる力ではないのか。
秋の深まりとともに、ご機嫌なチームに、勝利の女神も誘い笑いをするのではないか。
2017年のパ・リーグ投手陣 リリーフ詳細版
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だから掛布は釈然としない。「江越大賀を一人前に育てたかった」と掛布はいったが、彼は彼なりにチーム育成のめどをつけつつあったのだ。
私は何人か経営者と付き合ってきたが、中小企業の経営者にはこういうタイプが多い。太っ腹で寛大そうにふるまっているが、実は小心で、なかなか人を信じない。そして直言や諫言に素直に耳を貸すことはない。部下への叱責は容赦ない。減点主義で責め立てる。
金本知憲という人を知っているわけではないが、采配や選手の起用を見ていると、そういうタイプではないかと思えることが多々ある。
福留、鳥谷などのベテランを重用するのもそう見えるし、若手を抜擢しては降格することを繰り返すのもそうだ。藤浪晋太郎が不振に陥ったのも、金本のそういうカラーが影響しているのではないか。
金本監督になってから、阪神のベンチは暗い。負け始めると、金本の能面のような無表情がテレビに良く抜かれる。あれは、横に並んでいるコーチや選手はたまったものではないだろう。
「監督が怒ったはる」と思えば、身もすくむし、気合もなえてくる。マイナス思考の不機嫌な空気が、ずっと漂っていたのではないか。
巨人の高橋由伸は金本とはタイプが違う。選手を恫喝したり、締め上げたりすることはないだろうが、彼もまた不機嫌な顔がしばしばテレビでとらえられた。彼の場合、チームの苦悩を一人で背負ってうずくまっているような感じだ。大企業の親会社から落下傘で着任した子会社社長みたいな雰囲気がある。
特に短期決戦になれば「乗り」が大事になってくる。今、まだシーズンを終了していない4つのチームは、カラーは全く違うが、ベンチの機嫌がよさげに見える。
少々の失敗で眉をしかめたりせず、ファインプレーはほめあげて、チームをのせていく。
戦力や作戦の問題はあるが、土壇場でもてる力を活かすのは「人を信じる」ことで生じる力ではないのか。
秋の深まりとともに、ご機嫌なチームに、勝利の女神も誘い笑いをするのではないか。
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