楽天は本当によく頑張ったが、レギュラーシーズンで15.5差をつけられたソフトバンクの敵ではなかった。それはそれでよかったと思う。
楽天はCSファーストステージでは、2位の西武に対し、0-10の完敗から始まりながら、4-1、5-2と連勝し、その勢いでファイナルステージに乗り込んできた。
楽天はソフトバンクに3-2、2-1と僅少差で連勝。ローテの端っこにいた塩見、辛島の両先発の後を、新鋭宋家豪、高梨、福山、ハーマン、松井裕樹らでつないで逃げ切った。実に見事な勝利だった。

それとウィーラーの奮闘が見事だった。この選手は頑張れば頑張るほど、アニメのキャラのように面白くなっていく。

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しかしここからがソフトバンクの真骨頂。

なんといっても内川だろう。今季は故障で後半戦を欠場、辛うじてCSに間に合ったが、CS初戦から4戦連続本塁打。こういう選手が抜けていたのにソフトバンクはレギュラーシーズン、あれほど強かったのだ。
特に昨日の4戦を接戦の末にモノにしたのが大きかった。6回に内川と中村晃の連発でひっくり返したのだ。
秘密兵器宋家豪が、打ち崩されたのは象徴的。楽天は勢いでここまでやってきたが、やや息が切れて地金が見えつつあった。そして、ソフトバンクはここへきてようやくエンジンがかかり、戦闘モードになって行ったのだ。

絶対的なエース則本は2敗、屈辱的な結果だったが、こういうことがあるから野球は面白いという見方もできるのだ。

工藤監督の選手起用はさえわたっていた。一昨日は、シーズン0安打の城所、8安打の長谷川勇也、26安打の本多雄一と、実績のない選手を起用。城所が二塁打を二本打つなど、見事に起用が当たった。
そして今日は柳田悠岐を登録し、いきなり1番で起用。その最初の打席で詰まりながらも安打で出塁し、最初のホームベースを踏んだ。見事というほかはない。

結局、選手層が厚いとはこういうことを言うのだろう。

なかなかいいシリーズだった。

私は判官びいきの癖があって、大概の試合では弱い方の味方をする。このシリーズも楽天びいきだったが、楽天の攻勢を耐え抜いて、したたかに挽回したソフトバンクに、だんだんに気持ちが傾いていった。

私はホークスが福岡に去ってから、ファンでも何でもなくなったが、それでも南海時代の耳慣れた応援を未だに続けているソフトバンクには親しみを感じる。

横綱ソフトバンクは、立ち合いで相手に押されて土俵際まで下がったが、まだ残す腰があった。第3戦、4戦と接戦をものにして楽天を土俵中央に押し戻した。そして最後は楽天を、見事に投げ捨てた。

両軍のファンは一喜一憂しただろうが、私は本当にいいものを見せてもらったと思った。


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