どんなスポーツでも、趣味でもそうだが、それを好きになるか嫌いになるかは「感情」「感性」の問題であって「メリット」「デメリット」は、そのあとからついてくる。
例えば、サッカーが好きになる。それは理屈ではない。ボールを蹴る楽しみを知り、ピッチを駆ける喜びを知る。そのあとから「メリットを語る理屈」がついてくる。運動量が多い、瞬時に状況判断をするので判断力が養える、チームによるボールゲームなので協調性が生まれる、世界に活躍の舞台がある、などなど。

野球が好きになる。ボールを投げたり、受けたり、打ったりする楽しみを知り、ダイヤモンドを駆け巡る喜びを知る。メリットは、間合いが多いので細かな作戦を立てたり心理戦をするなど頭を使うことが多い、ポジションによって求められる特性が違うので、さまざまな能力、特製の選手を活かすことができる、チームによるボールゲームなので協調性が生まれる、人気スポーツなので成功すると大きな捕異臭が得られるなど。

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どんなスポーツでも、趣味でも「好きになる」は、感覚的であり、メリットは後付けなのだ。

大人のファンを作るためには「メリットの訴求」も有効だろう。大人の趣味は「理由」「理屈」から入ることも多い。「健康のためにランニングを始めた」「見聞を広めるために、旅行をする」みたいなものだ。
しかし、大人の野球ファンを作るのは難しい。選択肢がやたら多いし、大人はなかなかなびかない。そして野球は複雑なルールを伴うゲームだから、大人になってからファンを作るのは大変だ。
そこで今の野球界は「野球応援」のファンを作ろうとしている。こちらはルールはほとんどないし、初めての日から参加でき爽快感がある。それに「野球応援」をするうちに、野球が好きになることも期待できる。
ただ「野球応援」のファンは、応援がない野球や、応援スタイルが違う野球に興味を示すかどうかわからない。野球ファンの一部ではあろうが、将来にわたって野球が好きであり続けるかどうか、こころもとない。


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やはり幼児、子どものうちに野球に慣れ親しむ機会を作って、野球のルールを理解し、その楽しさを理屈ではなく感覚で知る若い層を作らなければならない。

野球界は「野球好き」を作る努力を全く怠っていた。そもそも「野球が嫌いな子供などいない」と思っていたので、そういう必要性を感じていなかった。だから「野球のすばらしさ」を伝えることなく、いきなり子どもを礼儀作法で縛り、型にはめようとした。それが「野球を通じての教育」だと思っていた。
そのために、野球が理屈ではなく「感覚で」嫌いになる人をたくさん作っていたが、野球界は無頓着だった。指導者の口癖は「嫌ならやめろ」だった。

その時代が長く続き、その間にサッカー界が「サッカー好き」の子供を丁寧に醸成したために子供世代での勢力が逆転したのだ。

今、幼稚園、小学校で始まっている普及活動は、才能を掘り出すことではない。
また、子どもに「野球を教えてやる」ことでもなく、「野球を通じて人間を鍛えてやる」ことでもない。野球界はもはや、そういう偉そうなことを言える立場ではない。これまでしてきたことの傲慢さを考えれば、その考えは革められるべきだ。

大事なのは、投げる、受ける、打つ、走るなどの野球道さが好きな子供、そして野球というゲームが好きな子供をたくさん作ることだ。
グランドに一歩足を踏み入れただけで、笑みがこぼれるような子供を一人でも多く作ることだ。

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