「野球離れ」についてずっとブログを書いている。いろいろな反論をいただくが、中には問題を単純化しているのではないかと思えるものもある。
昨日の「秋季キャンプを見直すべき」というブログに対して、「そういうけど宮本慎也は山田哲人を秋のキャンプで鍛えると言っている」というコメントがあった。
「秋季キャンプの見直し」は、「野球離れ対策」とは直接関係はないが、野球ばかりで世間を知らない野球選手の「蒙を啓く」という点で関連性がある。

で、あるのに宮本慎也は、秋季キャンプに異論を唱えていないではないか。宮本は「野球離れ」に危機感を持っているはずではないのか、というニュアンスが込められていたと思う。

そもそもこの意見は議論の次元を理解していないが、それを抜きにしても「野球離れに危機を抱く人はみんな同じ意見ではないのか」という問いかけをしている点で、はっきり答える必要があると思った。

そうではないのだ。認識はバラバラなのだ。

私は今、たくさんの野球関係者に「野球離れ」について聞いている。「今のままでいい」という人はさすがにいない。「何とかしなければ」と思っている人が多いが、その認識も、解決へ向けての道筋も考え方はばらばらだ。

例えば宮本慎也は「幼稚園児に野球を教えるときには優しく接し、面白さだけを教える」が、少年野球ではPL学園仕込みの厳しい指導をすると言っている。彼の息子も宮本が指導する少年野球チームに属しているが「今日お父さん来るよ」と言われると「えー!」と顔をしかめるほどだという。

西武の石井丈裕も「幼稚園、低学年にはうるさく言わないが。講師を務めるキッズアカデミーでは礼儀作法を厳しく教える」という。

しかし、一方で、ボーイズやリトルリーグの指導者の中にも「礼儀作法や規律をうるさく言うのはやめよう」という人も出てきている。それでは子供がついてこないし、野球嫌いが続出するからだ。

また高校野球の現場でも、これまでの厳しい指導を改めて、上下関係を厳しく言わず、のびやかな空気を作ろうとしている人もいる。

これを「ゆとり世代以降は、これだから駄目なんだ」という人もいるが、サッカーなどの選択肢が増える中で「規律」「礼儀」を持ち出せば、選手が集まらないのは明らかだ。

また、昨今は「教育」の中身も変わってきている。「鍛える」「厳しくする」ことが子供の成長を促すという考え方は否定的にとらえる人が多い。

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しかし、である。「野球離れ」に関する共通の危機感は抱きつつも、考え方や方法論が違うこうした人々を「選別」しては、野球改革は前に進まない。

小池百合子の希望の党は、民進党の議員に対し「憲法改正」「安保法案」などの踏み絵を踏ませて、選別をしたが「野球離れ」対策は、そうした「排除の論理」では広がらない。

「子どもを野球好きにする」という共通認識があれば、その次の段階で「でも規律は必要だ」なのか「中学、高校でも楽しく野球を教えよう」なのかは、今のところ問わない。その姿勢が大事ではないか。
毎週のように指導者や野球人に会っているが、一人一人のレベルで意見は異なるのだ。それを排除の論理でいちいち選別するのではなく「では共通の問題意識は何ですか?」と投げかけて、ゆるやかな「大同団結」にもっていくのが重要だと思う。

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