この死闘を、明日も明後日もずっと見ていたいと思った人も多かったのではないか。第6戦は5戦に続き、シーソーゲームとなった。

すいません、たくさん間違いをチェックされました。自分のあほさ加減に嫌気がさします。
アレックス・ラミレス監督の用兵の冴えは、目をみはるばかりだ。
昨日は、シーズン中54打数10安打0本塁打の白崎浩之をDHに起用し、同点に追いつく本塁打と安打。
本塁打が出た瞬間、丸山剛史通訳がラミレス監督の腕を軽くたたいた。こういうシーンは見たことがない。丸山通訳は、2年前、ラミレス監督就任とともにチームに来た。ラミレス・マジックに心底驚いたのではないか。

このあと、ロペスの2点タイムリーが出て3-1、DeNAが逆王手をかけるかに見えた。
しかし、DeNAが6回、8回、10回、11回とチャンスをつぶす中で、ソフトバンクがじわじわと間合いを詰めていった。

DeNA先発の今永はものすごい出来だったが、初回から飛ばしたために6回あたりから制球が甘くなる。8回に長谷川勇也に二塁打を打たれたところで降板。臨時救援の井納、砂田とつなぐが、砂田は柳田の投ゴロを三塁に進んでいた長谷川の代走城所を見ることなく一塁に。この間に城所が帰って1点差に。

このプレーがなく、9回を2点差で迎えていたら、サファテの登板は微妙だっただろう。また、内川の一発の意味もなくなっていた。ただの投ゴロだが、このプレーの意味するところは実に大きかった。

延長戦になってからは「サファテ劇場」。調子は決して良くなく、安打も打たれたが、3イニングを投げぬいた。速球には気迫が感じられた。
日本ハムから出されてDeNAに拾われたエスコバーもよくやったが、率直に言って「格」が違った。

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福岡県と広島県を除く、多くの日本の野球ファンはDeNAに声援を送っていたのではないか。
モータースポーツでいえば、大メーカーのワークス・チームソフトバンクに対する町工場のコーチビルダー、DeNAの対戦。
首位打者を控えに遊ばせているソフトバンクに対するに、先発投手を救援に回さざるを得ないDeNA、戦力差は大きかったが、ラミレス監督は「弱者の戦い」に徹して戦い抜いた。3連敗からの2試合、ラミレス采配はさえわたっていた。これほど面白い采配は最近では見たことがない。

CSは確かに理不尽な一面も持っている。長いシーズンを勝ち抜いたチームが短期決戦でやぶれ、5割そこそこのチームが最高の舞台に立つのは、確かに問題がある。

しかし、4月から始まった「2017年シーズン」という長い物語は、昨日で終わった。DeNAの「下剋上」に承諾しがたい面があったにせよ、野球ファンをここまで楽しませてくれたのだから「良かった」と結論付けて良いのではないか。「試合の流れ」を何度も相手に渡しながら、それを引き戻したラミレス采配は見事の一語だった。強者同士の戦いもいいが、強者対弱者の死闘は本当に面白かった。
まさに「大団円」だったと思う。

広島ファンに怒られるかもしれないが、カープにこんな凄い試合ができたかどうか。オーソドックスな緒方監督が、奇策に打って出ることができたか。

いろいろあったが、ここまでシーズンを盛り上げた最大の功労者はアレックス・ラミレスだろう。感謝したい。

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2017年菅野智之、全登板成績【初の最多勝と合わせて二冠&沢村賞獲得】

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