nakajima

中島大輔さんは、今年3月の東京野球ブックフェアでちらっとお見かけした。夏になって挨拶ができて知り合いになった。「野球離れ」について書いておられるライターだ。
先日、NewsPicksにアップされたこの記事は、最近ちょっとないほどの重要な記事だ。

【新】野球少年激減。プロ野球ビジネスが成立しなくなる日

これまで私が紹介してきた「野球離れ」の実態が、具体的なデータと取材によって如実に描かれている。

2500万人超の観客動員に沸くプロ野球界、しかしその一方で、野球競技人口は、減少している。特に地方では、愕然とするほど「野球離れ」が進んでいる。
これは、今や大部分の野球人が共有する問題になっているが、残念なことに野球界のトップはこのことに全く無関心だ。
そして、多くの既存メディアもあまり深刻に思っていない。
今の新聞社は、メディアとしても時代遅れになっているが、記事の書き手、情報の発信者の意識も本当に古い。
記事から
多くのプロ野球関係者やメディアは野球人口減少の事実に気づいていないか、それが意味するものをわかっていないか、将来的なダメージを見て見ぬふりだが、このまま放っておけば、遠くない将来に“野球消滅”につながっても決して不思議ではない。

プロ野球の将来像も具体的に提示している。これも興味深い。

この記事はプロローグであって、以下のテーマで連載が続く。

野球消滅

00【新】野球少年激減。プロ野球ビジネスが成立しなくなる日
01 侍ジャパン“崩壊”。なぜ野球界は一つになれないのか
02 少年野球の“構造的欠陥”。タイムリミットはあと3年
03 スポーツの“塾”化。中学で激減する軟式、微増する硬式の背景
04【教育】元プロのエリート育成。ぬるいヤツは去れ!
05【教育】根性野球撤廃。AI時代に輝く人材創り
06 習いごとの若年化。加熱する、未就学児の“奪い合い”
07 嫌々引き受けた“素人顧問”が変える、野球界の固定観念
08 ボトムアップでどこまで変えられるか。野球有志の挑戦


広く目配りがされ、興味深い。特に02の内容は衝撃的だ。
ただNewsPicksの記事は、有料だ。月額1500円を支払わなければならない。私は当然そうするが、独社会各位も、問題を共有するために、ぜひ、入会していただきたい。

中島さんは、私よりはるかにキャリアがあり、野球界でも信用がある。以前に高野連の八田会長に話を聞き、貴重なコメントを取っておられた。
物静かな人ではあるが、ドスが利いた記事を書かれる。さりげない筆致で大変なことを明らかにする、という感じだ。

恥を申し上げるが、私は「野球崩壊」のテーマをNewsPicksに売り込んだことがある。中島さんがここで書いていると知らなかったのだ。当然、蹴られたが、その時期からこの取材をしておられたのだろう。

同志というのは僭越で、まさにこのテーマの「真打登場」という感じだ。
率直に言って、「野球離れ」について、真正面から取り上げる力のある書き手が出てこないと「蟷螂之斧」で終わるという危機感があった。本当に喜ばしい。

重要な記事である。1500円は、惜しくない。ぜひ、読んでいただきたい。

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