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侍ジャパン“崩壊”。なぜ野球界は一つになれないのか


中島大輔さんのNewsPicksでの連載「野球消滅」の01について紹介する。月額1500円の有料サイトの記事だが、ご本人からも承諾を得たので、一部、中身も紹介する。
この回では、まず、小学生の野球人口が、でたらめであることが明らかにされる。
私もスポーツ少年団の競技者数をチェックしている。数字は激減しているが、それどころではないという。

「一般財団法人全日本野球協会」の資料によると、2016年の小学生野球人口は25万5332人。31万5316人だった2007年と比べて19%減少している。

とのことだが、この数字は実態とは程遠い。加盟するチーム数に「20人」をかけて、これにスポーツ少年団の子供の数を足しているのだという。「20人」が15人になろうと、さらに減少しようと数字は動かない。

プロ、アマの野球関係者の協議機関である「野球協議会」は昨年発足したが、最初に取り掛かったのは「野球競技人口」の把握だった。
昨年、お目にかかった川淵三郎さんは「野球界って、競技人口も把握していないんだって、ひどいよね」と言ったが、それを調べようとしたのだ。
「腰だめの数字が出ました」というのは聞いたことはあるが、数字は発表されていない。

この少年野球の担当者のように、言を左右して実態を知られたがらない担当者がいるためだ。これは小学生だけではないだろう。高野連の数字も極めて怪しい。

中島さんのこの言葉が響く

そうした構図のせいで、野球人口減少という業界全体を根底から揺るがす問題が生じながら、いつまでも効果的な手を打てずにいるのだ。

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さらに、本来は「野球界の一体化」のために創設されたはずの「侍ジャパン」が、それには何ら貢献することなく、単なる「興行団体」になっているという指摘も鋭い。

「侍ジャパン」の事業化に際しては、NPBの心あるスタッフ、関係者が結集し、希望に燃えてスタートした。その折に、私は何人かと話をしたり、お酒を飲んだりして、非常に期待したが、実質的に「野球界の統合」とは無関係になったようだ。
立ち上げ当時に参画した人がほぼ全員いなくなったことでも「侍ジャパン」が変質したことがわかる。

今では東京五輪に向けて利権を集中させることが目的になっているようだ。東京五輪の野球競技は、MLBの参加も見込めず、アジアシリーズなみのちんけなものになると思われるが、国家が旗を振るプロジェクトに乗じて、おいしい目をしようというNPB経営者の意図が見て取れる。

ショックなのはこの一文だ

2016年末のプロ野球オーナー会議で野球少年減少が話題に上がると、「そんなのは大した問題じゃない」と一笑に付した者がいたという。プロ野球の観客動員は伸び続けており、少年野球人口減少は“対岸の火事”だと見ているのだ。

本当に今の野球界はダメだ。特に、上の方にいる人がひどい。

折も折、78歳のコミッショナーが新任されるそうだ。日本人男性の平均寿命は80.79歳だそうだが、あと3年足らずで死ぬかもしれない人に、10年、20年先の野球界を見通す政策など、打ち出すことができるはずはない。脱力する。

正直、野球はもう駄目なんじゃないかと思う。このブログも「野球の記録で話したい」ではなく「セパタクローの記録で話したい」「カバディの記録で話したい」にでもしようかとさえ思う。

その節には、読者各位にはよろしくお願いしたい。


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