確かに、78歳だからと言って、新コミッショナーを頭から否定するのは軽率なのかもしれない。
しかし、年齢は別にしても、斉藤惇氏が、私たちが考える「野球改革」に着手するとはとても思えない。
斎藤氏は、熊崎勝彦現コミッショナーなどの従来のコミッショナーとは異なり、経済界の出身だ。
野村証券副社長を務めた後、産業再生機構社長、東証社長などを歴任し、現在は資産運用会社「KKRジャパン」の会長を務める。

ビジネスの手腕はあるのだろう。これまで法曹界出身者が多かったのは、裁判大好き人間の渡邉恒雄の意向が働いたからだと言われるが、今回はビジネス手腕のある人を、というパ・リーグの意向で決まったという。
その点では、まだましだと言えるが、それでも、野球の未来を考えればこの人選には、ため息が出る。

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昨日紹介した中島大輔さんの「野球消滅」01では、侍ジャパンが従来の「野球界の一体化」という目的から変質し、ビジネス追及になったことが紹介されていたが、これをもとに整理すると、野球界には今、3つの方向性があると言えよう。

1.現状維持 自分たちの利権を守り、何もしない
2.ビジネス志向 2020年東京五輪へ向けてビジネスを拡大する
3.根本改革 「野球離れ」の進行を止めるために、野球界が一体となって改革する


私は2と3は、同じ立場を別の角度から見ていると思っていたのだが、そうではなかったようだ。「侍ジャパン」の変質でもわかるように、2のビジネス志向は、NPBが自分たちだけのビジネスを追い求めようとしているものだ。
東京五輪の野球競技は、1回だけで終わるだろうし、MLBも出ないから、野球界全体の繁栄につながるとは言い難いが、そこに向けて盛り上がれば、あぶく銭は入ってくる。

広告代理店が、博報堂から電通になったのも、スポーツビジネスに長けた人材がいるからだ。
博報堂はJリーグとも長く付き合ったが、こっちの方が、スポーツ界全体の育成、繁栄には理解がある、電通はビジネスライクだと言われる。

つまり2は、1にしがみついてきた既得権益者が、新たな利権を見つけてそちらへ移動した、という見方ができそうだ。
残念ながら、セの特定球団だけではなく、パの経営者もそう思っているようだ。だから、利にさとい証券マンをコミッショナーに推挙したのだ。

しかし、事態は深刻だ。子どもたちの「野球離れ」は底なし沼の様相だ。このままいけば、野球界は確実にシュリンクする。
そのために、野球界を挙げて対策に取り組むべきだ。新しいコミッショナーは、3.の根本改革の担い手であるべきだが、今回もそうではなかったのだ。

少し救われるのは、新コミッショナーも78歳という高齢であることだ。それほど長いこと居座ることはないだろうし、老人だからできることも限られている。実害も少ないということだ。

しかし、野球の現場がここまで焦燥感に駆られているのに、野球界のトップは何を考えているのだろう。
昨日紹介した、「野球消滅」01
2016年末のプロ野球オーナー会議で野球少年減少が話題に上がると、「そんなのは大した問題じゃない」と一笑に付した者がいたという。プロ野球の観客動員は伸び続けており、少年野球人口減少は“対岸の火事”だと見ているのだ。
は、本当に衝撃的だ。 

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もう、相当やばいところに来ているのに、老人たちはまだ、笑いさざめいているのだ。

この現状をなんとしょう。


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