「すべての子供に野球の普及活動をしても、野球界は市場を失うと思う」という意見があった。
史上を失うとは「シェア」の問題だと思うが、すでに少年のスポーツ市場では、野球はシェアを失っている。リーダーの座から落ち、フォロワーになっている。このまま手をこまねいて、何もしなければ、さらにシェアを失い、ニッチになる。



昔は、子どもたちへ向けたスポーツの普及活動など存在しなかった。
子どもは勝手にスポーツごっこをしてスポーツに親しんだ。そしてその多くは野球だった。テレビをつければ野球しかしていなかったからだ。
オリンピック時期などに少しバレーが人気になったことがあった。雪の古地域ではウィンタースポーツがあった。
しかし、それらはごく限定的だった。

バレーボールの指導者は「いい素材を見つけても、ほとんどが野球に行った。野球の人気はけた外れだった」といった。
ラグビーの指導者も「我々がどんなに世界で頑張っても、プロ野球のニュースにはかなわなかった」
といった。

そういう他のスポーツは、ジャンルの存続をかけて普及活動を始めたのだ。サッカー然り、バスケットボール然り、何もしなければもともと野球に流れていくはずだった子どもたちは、みんなそっちへ流れていく。「草刈り場」の状態がずっと続いていたのだ。

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野球界がこれに気づいて普及を始めたのは2~3年前だ。プロ野球の上層部やアマのトップの人たちは、まだその危機に気がついていないが、現場を預かる人たちが、それに気づいて一生懸命やり始めたのだ。
しかし、こうした流れはすぐに止めることはできない。頑張って普及活動をつづけたとしても、あと10年ほどは野球の競技人口、そしてファン人口はシュリンクし続けるだろう。
怖いのは、そういう事態が進行して、地滑り的にプロ野球やアマチュア野球の屋台骨が崩れることだ。その可能性はあるが、その部分は経営者にゆだねないとどうしようもない。

ここ10年、20年の間、地道に野球の普及活動をやって、シェアの減少を食い止める、それと並行して野球界の改革が進むのが理想的だ。

「普及活動なんかやっても意味がない、どうせ市場を失うんだから」というのは、無責任な意見だと思う。意味がないなんてことはない。絶望的に見えても、それしか生き残る道はない。

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