今の野球界をざっと俯瞰しておこう。
プロ野球は2500万人余、史上最高の観客動員を記録した。高校野球も80万人を動員し、その結果に日本中が一喜一憂した。
興行的には、過去最高の観客動員に加え、グッズなどの売上も伸びている。球場の指定管理者になっている球団も増えて、球場の広告収入なども上がり、チームごとのスポンサーもよくついている。
プロ野球の収益体質は向上した。

高校野球は採算を考えていないが、甲子園関連の本はよく売れている。さらに高校野球の予選が始まると「高校野球.com」などのサイトは巨大なアクセスを集めている。

その一方で、野球中継の視聴率は下がっている。地上波全国での野球中継はポストシーズンをのぞいてほぼなくなった。甲子園の視聴率も上がらない。テレビ的にはオワコンだ。

なぜそうなるのか?野球に熱狂しているのは、おそらく合わせて1000万人以下の、ごく一部の人なのだ。中高年者中心のこうした顧客が、何度も球場に通い、グッズを買い、消費をすることでプロ野球は繁栄している。高校野球も同様だ。

その一方で、小学生世代での野球人気は、下がり続けている。好きなスポーツランキングでは、野球はサッカーにダブルスコアで負けている。バスケにも追いつかれた。
サッカーやバスケは、興行的には野球にはるかに及ばないが、競技人口、そして若年層の愛好家数において、野球よりも優位に立っている。

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サッカー人気が野球に追いついて同様の観客動員を獲得する可能性はないと思う。
少子高齢化とともに、プロスポーツのマーケットは縮小すると思うが、若年層のファンが多いサッカーやバスケは、その中でも現状維持か、やや上昇程度で推移すると思われる。

しかし中高年が多い野球は、メインのファン層が高齢化し、購買のボリュームゾーンではなくなるころには衰退に転じる。次の世代のファンが育っていないからだ。

この動きは実は20年前から始まっているから、今から打てる手は少ない。野球界の衰退は不可避だ。
しかし手をこまねいていれば、プロ野球はかつてのプロレスのように、ナショナルパスタイムの座を失い、マイナー化する。

野球の普及活動は、それを食い止めるために行うものだ。10年先、20年先にシュリンクした野球界が再び上昇カーブを描くために、今から手を打つべきだということだ。

もちろん、シュリンクした野球界は、今の愚かしい体制ではもたない。構造改革は不可避になる。
それも並行して行うべきだが、業界が衰退すれば、親会社は撤退し、愚かな経営者は退場する。ある意味で、野球界の衰退は、待望すべきものでもある。
死なない程度に、一度病気が顕在化するのは、改革のためには必然だろう。

この間、現場の人たちは野球の普及活動、それも良い選手を作るのではなく、たくさんの野球ファンを育成する活動をしなければならない。

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