この件に関して昨夜からいろいろな意見をいただいた。私は「野球応援して野球は見ないお客」は好きではないが、そういう人を排除せよと言っているのではない。今の野球界の経済規模を維持するためには必要だから、増えてほしい、少なくとも減らないでほしいとは思う。

しかし、マーケティング的に見た時に、野球の顧客がそういうお客だけになることに、非常な危惧を感じる。
こういうお客は、何にロイヤリティを感じているのか。

1・野球が好きなお客は、野球の試合、選手にロイヤリティがある。だからどんな野球であっても立ち止まって見入ってしまう。良い選手がいれば、注目したりする。

2・応援団や野球ファンは、特定のチーム、選手にロイヤリティがある。そのチームのことならなんでも応援するし、知りたがる。買いたいと思う。しかし、他球団や他のリーグ、カテゴリーの野球には、それほど興味がない。

3・今は、さらに3つ目のお客がいるのではないか。球場のにぎやかさ、華やかさにひかれてやってくるお客。贔屓チームはあるが、その勝敗にはあまりこだわりはなく、イベントに参加したり、グッズをもらったりするのが楽しい。いわば「野球場の雰囲気」にロイヤリティを感じる人。

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3番目のお客は悪いお客ではない。贔屓の引き倒しでかんかんになるわけではなく、野球場の雰囲気が好きで来ているのだから。

しかしながら、そういうお客は「野球そのもの」ではなく、「その周辺」に魅力を感じている。2番目の「応援団」のお客ともども、球団のサービスや、演出に惹かれて球場に来ている。

前にも紹介したが、各球団のマーケティングは、究極の域に達している。ファンクラブの会員には、個人ベースでメールによる告知や勧誘をしている。
ファンクラブに入会すれば、招待券、チケットの優待、グッズのプレゼント、割引販売など盛りだくさんの特典がある。

さらに球場では、全入場者へのレプリカユニフォームやTシャツ、グッズの配布、イニングごとのプレゼント、ミニイベントなど、入場者を飽きささないための演出、工夫がちりばめられている。
その上で、応援団が大音量で応援し、7回には風船を飛ばす。

まさに、サービス、演出をてんこ盛りにして、お客を呼んでいるのだ。
おそらくそのコストは半端ではない。チケット売り上げに占めるコストはかなりのものになると思う。

NPBの公式戦では、グランド整備、場内整理、チケット確認、セキュリティから試合後の清掃まで、膨大な数の人が働いている。

こうしたコストもすべて、入場料収入で賄われている。
観客動員が落ちれば、コスト高になって、そうした演出は難しくなる。
今の「野球離れ」の現状を見る限り、そういうタイミングは、近い将来にやってくる。

サービスや演出がしょぼくなっても、2、3のお客は変わらず来てくれるのか。それを心配しているのだ。

アイドルでいえば、握手会だの、選挙だの、いろいろな企画、イベントがなくて、ステージに立つだけで来てくれるお客がどれだけいるか、みたいな話だ。

野球をやってさえいれば、近所の空き地でも足を止めてみるような、昔の野球ファンの「基礎数」は、おそらく激減している。

私はそうした「基礎数」を増やすために、子どもたちへの野球の普及は不可欠だと言っているわけだが、その一方で、球場での「野球そのもの」の価値をアピールする取り組みも絶対に必要だと思う。

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